幸せ

結婚式当日。


「パブロ、タキシードかっこいいね」

「こんなん、恥ずかしい…」

パブロは自分の服を見た。

「私は?キレイ?」

「きれいだよ。…なんか別の人みたい」

「…それは褒めてる?…」

「そんなことより…」

(そんなことよりって…)

「絵理と家族になれて嬉しい」

「うん」

「あぁ、泣いちゃったら嫌だな」

パブロは手で顔を覆った。

「ふふっ。そうだね」


2人は、教会で神父の前で誓いの言葉を言った。

「夫婦だね」

パブロは指輪を絵理にはめながら言った。

「うん」

絵理もパブロに指輪をはめる。


博之と和美と孝司の声と拍手が、教会に響く。


教会でプロのカメラマンに家族写真を撮ってもらった。

教会の天窓から、キラキラ輝いた日の光が

差し込んだ。

「綺麗ないい写真撮れましたよ」

「ありがとうございます。ホント綺麗な光」

「…うん」

「じゃ、あと30分くらいここにいられるので、ご家族で写真撮りあったりして下さって大丈夫ですよ。私はこれで失礼します」


「じゃ、天気いいし、外で写真撮ろう」

教会の外に、出た時、風がフワッと吹いて、その風にのって、きれいな花びらが飛んできた。

その花びらは、さっきのように陽の光に照らされキラキラ輝いていた。

そして、家族全員の上にふわっと落ちてきた。


「なにこれ!すごーい」

「魔法みたい」

「パブロがやったの?」


「じいちゃん…」

「え?!」

「じいちゃんの魔法だ…」

パブロは涙が滲んだ。

パブロは、空に向かって手をかざすと、一直線に細い光が出て、雲を突き抜けた。

「何?」

「あっちに…、魔法界に虹をかけた」

「なにそれすっごーい」

「じいちゃんよりは高度な魔法使わないと…」

すると、パブロ達の頭上に、虹色に染まる美しい雲が現れた。

「彩雲(さいうん)だ…。張り合うなよ…」

パブロは笑った。

「昔、じいちゃんがよく言ってた。この雲を見た人には幸運が訪れるって」

「へぇ。素敵なおじいさんだね」

「うん…」


「絵理!パブロ!」

博之と和美が孝司の肩を抱いて、パブロと絵理の方に駆け寄り、全員で抱きしめあった。

家族皆で、笑いあった。


「今日、俺、幸せだ」

パブロは笑った。

「私も」




                

    





この作品のスピンオフ⬇


☆幼馴染みの恋 エピソード1

☆幼馴染の恋16 歳 エピソード2(孝司&春乃)


☆腹黒男子は遠恋中の彼女に片思い(孝司姉・えり&春乃兄・湊)


☆ずっと好きって言いたかった(えり&湊 パラレルワールド)


もよろしくお願いいたします。


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