吸血鬼(1967)

ロマン・ポランスキーの吸血鬼(1967)

2023年7月7日、U-NEXTで鑑賞


元はドイツ、日本では東宝のミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」の原作だと知って見てみたが、内容はほぼそのままだった。MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)のタイトルロゴでお馴染みの吠えるライオンが吸血鬼のアニメーションになり、血がひとしずく垂れてゆきオープニングクレジットが始まるという流れが斬新。シンセサイザー系にコーラスを織り交ぜた劇伴が不気味さをより際立たせる。


鑑賞後に調べて知ったが、ナレーションとアルフレッド(ミュージカルだとアルフレート)役がまさか監督のロマン・ポランスキー本人だとは驚いた。吸血鬼研究家の教授の助手としてのへたれっぷりが良かった。個人的にアブロンシウス教授役のジャック・マッゴーラン、サラ役のシャロン・テート、クロロック伯爵役のファーディ・メインさんの演技がとにかく好き。ミュージカルを先に知っていたので「あ、この場面かな?」という部分もあってなお楽しめた。特にシャロン・テートさんのなんと可愛らしいこと!あんなに赤毛の似合う女優さん今まで見たことない気がする。サラがなぜお風呂(舞台は見ておらずハイライト盤CDを聴いていたため)に入っているのかが疑問だったが、吸血鬼避けのニンニクの臭いを消させないためだったのかと納得。伯爵の息子のヘルベルトは……日本語字幕のせいもあってかやっぱり女性っぽい雰囲気がすごかった。恋愛について書かれた本を読み上げながらアルフレッドに近づく場面は「やっぱりそうなるか」と思わせる演出。ラストシーンはなんとなく後味の悪さが残り、久しぶりに面白い作品だった。

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