第36話 われボッチ道を究めんとす 旅路終了編

元ドームの有った場所からドームごと収納魔法に収納して

飛行魔法で新天地を目指して飛んでいると、

大きな川が流れているところに来た。川の右手は

不毛の大地。左側は豊かな森林が広がっていた。


もしも原住民が居たとしても、住むには、森林地帯の周辺

だろうと見当をつけて、川から遠い不毛の大地を上空から

探索する。生き物の気配はしない。


しばらく飛ぶと砂漠地帯が見えた。

「この辺なら人間は来れないだろう」

僕はそこに降り立った。

ドームを取り出していつものように風呂に入り

作り置きの料理をつまみに冷たいビールをぐびぐび飲んだ。


「ぷはー、やっぱ1人が自由で幸せだ」


周辺は魔素が濃くて僕にとっては快適だ。

暫くはここを拠点にして、もしもの場合に備えて

次の候補地を探しておこう。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


一方取り残された村雨遥はキーキー騒いでいた。

『何なのよ彼奴あいつ、折角、美と愛欲の女神である私が

恋の奴隷にしてこき使って、

美味しいお菓子を作らせてやろうと思ったのに!!!キー

まいいわ、神の資格をはく奪されてこの地に落されたとはいえ

まだまだ神の力は残っているのだから。探索。


あら、こんな所に居たのね、やだ魔素が濃すぎて私は入れない。

ようし、呪いをかけてやる。私の誘いを断った罰よ。もう一生

あんたに誰も近づけ無いし、誰とも愛し合えなくなる呪いよ

ホーホホホホ。一ひとりぼっちで悲しむがいいわホーホホホホ』


若い男神を誘惑して自分の仕事をやらせておいて、失敗すれば

男神のせい、成功すれば自分の手柄にしてた元女神の村雨遥

は、矢張り判って居なかった。いつも異性にちやほやされて

逆ハーレム状態が当たり前だったから、一人ぼっちを自ら望む

人間が本当にいるとは思っていなかった。

ボッチ道を究めんとする北山時男にとっては素晴らしい呪い

(祝福?)だった。これで永遠のボッチが約束された。


めでたしめでたし。


「われボッチ道を究めん」はこれにて終了です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る