第34話

いつもと変わらない朝


けれど何かモヤモヤする……


私は今まで、妻に何をして来たんだろう


仕事を頑張り、家族を支えれば何も文句は言われない。当たり前のことだと思っていた.....


けれど妻は今だに仕事にも行っているし

家事も頑張ってくれている。



妻は口癖のように老後の為、老後の為と言う。



そんなに苦労を掛けているのか……


出かける妻の背中を眺めているとハッと気付く。


細くて折れそうで、心なしか丸まった背中が疲れているように見える……


そういえば、妻は酔えば


老後はゆっくり南の島に……とか何とか

いつも何か呟いていた事を思い出す。


酔った席での話だし、気にもしていなかった


よほど疲れているのだろう


今まで気付かずにすまない……


出かける妻の背中に心の中で謝罪した。



妻の勝手な行動に腹ばかり立てて


妻の優しさなど感じられなくなっていた


何か二人で楽しめることは無いだろうか?

最近は毎日と言っていいほど考えている


しかし顔を合わせばつい腹が立ち無表情になる

何でだろう……










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