仲良し4人組!!!
今日はいつもの仲良しメンバー4人で、お昼ごはんを食べに来た。今はまだ11時だけど、早めにお店に入って飲み物を注文することにした。先にお店に入っていた2人は優雅に席に座って美味しそうな飲み物を飲んでいた。
「お、やっほーっ!夜瑠くんはどーする?」
お絞りを配りながら紫帆の親友、
「んー、僕はアイスコーヒーで」
メニュー表を開きながら言う。するとほうじ茶ラテの写真が目に留まった。うわぁ、うまそう!やっぱり…やっぱり今日はアイスコーヒーが飲みたいわけではない気がしてきた。
「おっけ!じゃあ頼んじゃうn…ー」
「…やっぱりほうじ茶ラテで!」
僕が慌てて言うと、僕の大親友、
「夜瑠はいつまでたっても優柔不断だね。よくそんなんでうちの高校受かったよね」
僕と陽翔、それに千夏と紫帆が通っているうちの高校は、偏差値がバカ高い。(僕は、紫帆が受けるからってダメ元で受けたけど、なんの間違いか受かった)陽翔が、けなしているのかふざけているだけなのか分からない口調で話すのはいつものことだけど…いや、今バカにしたよね?
「陽翔、アイスコーヒーちょっと分けて?」
甘い声で陽翔に抱きついてみたけれど、陽翔は苦笑いをしながら自分で頼めよと言った。千夏は白々しい目付きで男たちを見た。僕と目が合うと気まずそうに目をそらしてスマホを見始めた。おい。
「あっ」
結局分けてくれた甘い液体を飲み込む。すると、千夏がいきなり大声を出した。僕と陽翔はビクッと肩を震わせ、千夏のことを見た。
「紫帆、迷子になってる!」
紫帆とは…シホトハ、ボクノオサナナジミノ…。地元で迷子になる人っているんだな。せっかく好きな人とごはんを食べられるってテンション上がってたのに。あのバカ、来るの遅いなって心配していたらこの有り様…。
「今駅の方向かってるって!んも紫帆のバカ!駅ってここから反対側だしっ!迎えに行ってくる!」
椅子をガタガタ言わせながら引いて、千夏は頭を抱えながらすごいスピードで走り出した。え、行動はや。
「……」
「……」
僕たちはしばらく言葉を発せず、絆で結ばれた親友を迎えに走った千夏の行く先を眺めていた。
「ホントにもうっ」
紫帆はえへへと笑いながら席につく。さすがの千夏は、紫帆がいそうな場所を探し回って、駅前のデパートでお洒落なネックレスを見物していた紫帆を捕獲して見事10分で戻ってきた。
いつもの仲良しメンバー、僕と陽翔と千夏と紫帆。紫帆がやって来ると僕たちの話は異常に盛り上がり出した。紫帆が話す話題はどれも知らないことばかりで、話し方もおもしろい。
「えーっ、あいつ
恋バナに目がない千夏は、カップル誕生のお知らせを聞いてにやけていた。
「うふん、由紀ちゃんとあいつがかぁ♥️」
ニヤニヤしていて気持ち悪い。陽翔が笑いながら言う。
「お前そんな恋バナ好きなら恋人見つけろよ」
「無理っ!人の話だけで結構!」
千夏がそう言って大きく顔の前で×を作った。手が小さいからショボい×にしかならなかったけど。千夏の言葉を聞いて、陽翔がバカにするように鼻を鳴らした。
「無理、なんじゃなくてお前のことが好きな人がいねえだけじゃね?」
「違う!…と信じてるっ!」
そのまま2人は喧嘩をはじめる。いつものパターンだ。でも、楽しそうで本気で喧嘩をしているようには見えない。喧嘩するほど仲が良い、だ。紫帆がこそっと僕の隣の席に移動して、小声で言った。
「この2人、絶対両想いだよね」
紫帆、ご名答。実は僕、千夏にも陽翔にも恋愛相談をされているんだ。千夏は陽翔と仲が良い僕に、陽翔がどうすれば自分のことが好きになってくれるのか、日々聞いてくる。千夏と相性抜群の陽翔は、やっぱり未来のお嫁さん(?)と考えることは同じなようだ。2人とも僕には内緒にしてねって言ってきたし。そっくりだ。
僕が紫帆に向かってうなずくと、紫帆が自慢気に言った。
「私と夜瑠2人でさ、『恋愛』のサポートしてみない?」
恋愛を知らない
「あーっ楽しかった!」
千夏の元気な声と一緒に店を出た。空は暗黒の色に変わっていて、目の前には仕事が終わり、家へと急ぐ人々で溢れている。
「また遊ぼーな」
陽翔が僕たち全員を見渡して言った。最後に真っ黒で綺麗な瞳は千夏を捉えた。千夏はそんなことには気付かずに紫帆と談笑している。
「また明日ね」
明日は高校がある。また、会える。紫帆と一緒に、親友の恋愛がサポートできる日が楽しみで待ちきれない。
あーっ、紫帆も陽翔も千夏も大好きだ!
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