第11話:プリンの浴衣姿。

僕たち四人は《湯めぐり回廊・桜屋》にやってきた。

建物を見たのはパンフレットだったからか大きさまでは分からなかったけど

実際に桜屋を見て玄関周りとか豪華で立派だなって思った。


四人とも朝食を食べてきてたのでそのまま温泉に直行。

ほぼ1日ここで、のんびり過ごそうかってことになった。


家族風呂はあったけど、残念ながら混浴はなかったから、

美都里ちゃんはプリンを連れて、そして僕はマカロンを連れてそれぞれ

女湯と男湯に分かれた。


中に入ると、青い空が見渡せる露天風呂になっていた。

ここの温泉の種類は大浴場に露天風呂、サウナに天然温泉、水風呂に

打たせ湯。


ひとつずつ回って行っても、けっこう時間がかかりりそうだったし

それよりそんなに入ってたらきっとノボせると思った。


マカロンは適当な風呂に入って天を見上げてぼ〜っとしながら言った。


「青い空が見えるよ・・・自由に羽ばたきたいな」

「それに、こんな気持ちいの久し振りだ〜、ここに居候しようかな」


久しぶりの水浴びだったのかな?・・・インコだけに。


あとは、さまざまなリラクゼーションがあってボディケア・足つぼマッサージ

とかしてくれろ《手もみ屋》とか・・・。

南国の香りに包まれながらのリンパマッサージとかもあるらしい。


料金を追加すれば、宿泊用の部屋も利用できるようになっていた。

畳の大広間のあったが、やはり個室がいいって人は、そういう部屋を

利用するんだろう。


って温泉の内訳はそのくらいにしておこうかな。


で、僕とマカロンが温泉から出ると、女性たちが浴衣を着て待っていた。


おお〜プリンちゃん、浴衣着てるよ。

めちゃ可愛いし・・・。

僕はプリンちゃんの浴衣姿を見てムラっときて、おもわず前を抑えた。


美都里ちゃんの浴衣姿も可愛いかったけど、僕はプリンちゃんにしか

興味なかったわけで、どっちしても美都里ちゃんはマカロンとラブラブだしね。


「私たち、大広間でゆっくりするから・・・」


そう言って美都里ちゃんはマカロンを連れてさっさと行ってしまった。


「私たちも行きましょ」


ってプリンちゃんは言ったけど・・・僕はもうプリンちゃんとふたりきりに

なりたかった、だからプリンちゃんを連れてフロントに行って宿泊用の

部屋を借りた。


で、一応、大広間にいる美都里ちゃんに報告に。


「美都里ちゃん、僕たち今夜ここに泊まるから・・・」


「あら、そうなの?、ここが気にっちゃった?」


「そうだね・・・ここいいね、めちゃ気に入ったし、気持ちよかった」

「リラックスしたい時は時々来たいよね」


「じ〜私とマカロンは、しばらく休憩したら先に帰るわね」


美都里ちゃんがそう言った。


「泊まるって?・・・プリンちゃんとエッチするの?」


また唐突にマカロンが言った。

余計なことを・・・


それを聞いたプリンちゃん・・・真っ赤になった。


「え?そうなの?・・・それで部屋を借りたの?初ちゃん」


プリンちゃんが確かめるように僕に聞いた。


「いやいやいや・・・そういうつもりじゃなくて・・・」


実はそういうつもりなんだけど・・・。

マカロンめ、いつでもタイミング悪い時に余計なこと言うんだからな・・・。


「いいじゃん・・・ふたりの問題だし・・・」

「私たちは帰ろう?マカロン」


「ふたりとも、ごゆっくり・・・」

「さあ行った行った・・・これからはふたりだけの時間過ごして・・・

じゃ〜ね、プリンちゃんまた来ようね 」


「はい、ありがとうございました」


で、僕たちは美都里ちゃんちカップルとバイバイして分かれた。


それから5分後、僕とプリンちゃんは部屋の中にいた。

なんとなく、落ち着かない雰囲気。

マカロンがあんなこと言ったもんだから、きっとプリンちゃんは意識してるよ。


やりにくいよな・・・。

そしたらプリンちゃんが言った。


「あの・・・するの?」


「あはは・・・長く湯船に浸かったから、体が火照るね・・・」


「余計なことは言わなくていいから・・・」

「私としたい?、初ちゃん・・・」


「いや〜・・・」


「私はいいよ・・・しても」


「まじで?」

「てかさ、正直言うとここの温泉に来た時にはそんなつもりはなかったん

だけどさ・・・そのプリンの浴衣姿見たらなんて言うの? 」


「あ〜ムラムラ来たんだ・・・スケベだね初ちゃん」


「どう私、浴衣似合ってる?」


「似合ってる、似合ってる、もう最高・・・」


「初ちゃん・・・鼻の下、伸びてるよ」


「うそ・・・」


「初ちゃん・・私の浴衣、脱がしたいって思ってるでしょ」


「そ、そんなこと思ってないけど・・・」


「けど?・・・けどってなに?」


「・・・思ってる・・・」


「あはは・・・初ちゃん・・・あはは」


「いいよ・・・来て・・・私を抱いて、初ちゃん」


そう言われて僕はもう自制がきかなくなった。

そのままベッドにプリンちゃんごとダイブ・・・もう無我夢中、 忘我混沌ぼうがこんとん恍然自失こうぜんじしつ) 玩物喪志がんぶつそうし、七転八倒・・・で天国へ向かって昇天。

ここはセブンス・ヘブン・・・愛するほどに切ない気分。


とうとう僕はプリンちゃんと結ばれた。

インコとエッチって・・・。

いやいや今は人間のプリンちゃんだから・・・。


最初はプリンちゃんが僕のマンションを訪ねてきて少し戸惑ったけど、

今はプリンちゃんがいないと僕の人生は考えられくなってる。

僕はプリンちゃんに恋してる。


僕の横で眠るプリンちゃんを見て、僕は彼女を心から愛してるってはっきり

言える。


たとえ一奈がやって来ても、もう彼女に心を惑わされることなんかないと思った。


ただ、ただ・・・突然プリンちゃんとしたいって思ったもんだから避妊して

ないんだよね・・・これが・・・いいのかな。


僕はすっごい妄想した。

一回エッチしただけで、できちゃったなんてことだって、ありえるわけで

もしプリンちゃんが子供を産んだら?


インコ?それとも人間?

それは生まれてみないと分かんない・・・なんてことを真剣に妄想した。


だから、その後プリンちゃんに月よりの使者がやって来て僕は一安心したのだ。


つづく。

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