第10話 その勇者、魔法を教える


天霧あまぎり先生の第一回『魔法学』講座ー!」


パチパチパチ〜


「おい、天霧あまぎり!なに人の部室で勝手なことやってんだよ!」


「いや、でも歓迎されてるし。ほら。」


 先日の妖魔ようま退治実習で秋津洲あきつしま九重ここのえに、魔法を教えると約束した件で、みんなの予定を調整した結果、今日やることになった。

 それに加えて、スズネの友達のクルミちゃんとミオちゃんも教えて欲しいというので、この部室を占拠せんきょすることにした。


「な、なにやってるのでし・・・」


「いや、だって加茂かも氏。部室に女子なんか滅多めったに来ないですしおすし。」

「そ、そうだお、加茂かも氏。可愛い女の子は国の宝でござる。」

「意義なーし!」


 加茂かもの他の部員三人は、俺の連れてきた女の子たちを大歓迎のようで、部費でジュースやお菓子まで購入してきてくれた。

 もちろん、俺の分もだ。


「いや、真面目な話、俺はこの子たちから魔法を教えて欲しいと頼まれたんで、まさか寮の自室でって訳には行かないだろ?それに授業棟の教室は申請しないと使えないから・・・」


「で、なんで俺たちの部室が選ばれたんだ!」


「だって、ほら俺、男の知り合い少ないし・・・おすし?」


天霧あまぎり君!我々は君たちを全力で歓迎するでござる!」

「いつでも来るンゴ」

「カワイイは正義!」


「よし!了解もえられた事だし、早速始めるか。加茂も、合鴨あいがもA、B、C君たちも参加していいからね。」


「「「有り難き幸せ!」」」

「コイツら!」



「というわけで、今の説明を要約すると、この四つになる。ここ試験に出るからね!


1. 魔力は世界中いたる所に存在する

2. 魔法は体内に取り込んだ魔力を循環じゅんかんさせて発動させる

3. 発動させる魔法は本人のイメージ次第

4. 本人の適正次第では、精霊魔法が使える


 以上。ここまで、なにか質問はあるか?」


 黒板に板書しながら説明する。


「はい、天霧先輩。魔力の循環じゅんかんがよく分かりません。」


 最初に手を上げたのは、スズネの友達のミオちゃんだ。

 りんとした雰囲気の大和撫子やまとなでしこちゃんだ。


「うん、こればかりは実際に体験しないと分からないから、この後実習するよ。」


 はい、分かりましたと礼儀正しくミオちゃんは答えた。


「他には?」


「ないわ。というより分からないとこが分からないって感じかなぁ〜。」


「よし、じゃあ体験して見ようか。

 ところで加茂ブラザースの諸君。魔力循環を体験するにあたって、一つ注意すべきことがあるんだ。

 今日ここに来た女子には、あらかじめ説明し、了承ももらってるが、君たちにも予め了承をもらわなければならない。」


「どんなことだ、天霧?」


「さっきも説明したが、この魔力を循環させるためには、そのための言わば魔力の心臓のような器官を魂に作らなければならない。これを魔導器官という。

 それは一日で作れるものではなくて、それぞれの体質に合わせて何回かに分けて作って行くんだ。

 それはつまり、自分の魂に手を触れさせることになるし、相応そうおうの危険もある。だから当然お互いに信頼できなければ上手くいかない。

 君たちは、それを受け入れられるか?」


「天霧、その中等部の子たちも、危険を承知のうえで了承してるのか?」


「はい、理解したうえで先輩にお願いしました。」

「はい、私も同じです。」


「そうか。もし、それで新しい力が得られるのであれば・・・。こちらから頼む。天霧。」


 以外にも、加茂が真っ先に受け入れるとはな。

 そして加茂は、ブラザースの三人に、向かって・・・


「どんな危険があるかも分かりません。先輩方には、僕の結果をみてから・・・」


「見くびるなでござる。己の力を高められる可能性があるのならば、それから逃げるは男の恥でござる!」

「是非もなし!」

「ワイもやるンゴ!」


 合鴨ABCなんて言ってごめんなさい!先輩たちかっこいいンゴー!


「かかったな!です。合鴨がネギを背負って団体で罠にハマったンゴ!です。」



「くっ、うぅぅぅ・・・ハァハァ、ううっ!」


「加茂、あともう少しだ・・・」


 俺は加茂の胸の上に直接手を当てて、俺の魔力を流し込み魂の有り様を把握はあくしながら、ゆっくりと少しずつ魂の中に魔力を注入して行った。


「鴨は静かにしろ!です。お兄ちゃんは今、とても繊細せんさいな魔力操作を行っているのです!」


 スズネが小さな声で加茂を叱ってくれた。


「先輩!」「先輩。」


 ミオちゃんとクルミちゃんが、俺の両脇でしたたる汗をハンカチで拭いてくれている。ありがたい。


 この施術せじゅつには相性があって、先輩三人は五分程度で初期の魔導器官を作れたが、加茂にはてこずっていた。


 加茂も頑張っている。スズネが継続して精神回復魔法スピリチュアル ヒールを加茂にかけているが、それでも激痛を感じているはずた!


「よし!加茂、頑張ったな!終わったぞ。」


「失神した」


 フタバがそうこぼしたが、三十分も激痛に耐えたんだ。見直したよ。


 加茂を先輩たちがダウンしているソファーに運んで座らせた。

 先輩たちにも、急に意識を覚醒かくせいさせないよう、魔法で眠らせてある。

 魔導器官を魂に馴染なじませる時間が必要だからだ。


「さて、目てのとおり、男子でもこれ程キツい施術だ。それでも君たちは・・・」


「ここまで来て、今更だよぉ、ユキトくん。男子でさえ頑張ったんだから、私は逃げないわ!」


「服、脱ぐ?」


「分かった。二人の意志を尊重するよ。」


「反応のでかたは、相性しだいなのです。皆さんなら、大丈夫なのですっ!」


「施術は、できる限り心臓の上を直接触った方がお互いに楽なんだが、女の子だから今着てる体操着で良いよ。」


 四人とも顔を真っ赤にして俯いちゃった。ゴメンね。


「だが、いったん魂の中に俺の魔力を流し始めたら中断は出来ない。いいね、それだけは覚悟を決めたくれ。できる限りスズネがサポートする。」


「みんな、大船に乗った気持ちでドンと来い!なのです!」


「分かった。お願い。」


 フタバはそう言って、運動着の上着を脱ぐと、下着姿で俺の前に座った。

 む、むねの胸部装甲が・・・


「ん!邪心を感じた。

 失敗したらお嫁さんにして。」


「「「きゃー!」」」

「ラスボスはコイツなのか?です!」


「ブラも取った方がよい?」


「いや、そのままで充分だ。」


「うん。優しくして・・・」


オン ビラビラ ケンビラ ケンノウ ソワカオン ビラビラ ケンビラ ケンノウ ソワカオン ビラビラ ケンビラ ケンノウ ソワカ

煩悩退散ぼんのうたいさん!煩悩退散ーっ!


「じゃあ、始めるよ。」


 そう言って俺はフタバの胸の上に両手を当てた。やわらけ〜


「うぅん」


 やべー!フタバの心臓の鼓動が俺の手の平をビートするよお!


「これから魔力を流し込んで、フタバの魂にまとわりつかせるよ。止めるならここまでだ。ここから先は止められない・・・」


「やって、お願い。早く。」


 ゴクリ。そおぉっっとフタバの胸の中に魔力を流し込んだ。


「んっ!・・・・・・ぁっん・・・んあぁっ!」


 フタバの肌が熱い!


「よし、フタバ。いま君の魂を捕まえたよ。」


「ハァハァ、き、きてぇ、ユキトぉ〜」


 魂の外殻をできる限り優しく突き破って、魔力の侵入口を確保しながら、フタバの魂の胎内たいないにゆっくりと侵入した。


「ああん!あっあっあっ・・・来る、ユキトが私の中に入ってくるーぅ!もっと!ユキト、お願い、もっとー!」


「よし!奥まで入った。これから奥に俺の魔力を貯めて、魔導器官の原型を作るよ。形が出来たらおしまいだ!がんばれ!」


「ああ――っ!んっあっああ!もっと、激しく、もっとちょうだい、ユキトぉ〜!」


 絶叫とともにフタバは俺に抱きついてきた。フタバに力強く抱きしめられても、心臓の位置から両手を離すわけにはいかないので、しかたなくフタバの胸を強く握った。


「あ゛ぁぁーあん、うんっ、ああ゛あ゛っつ!」


「よし、頑張ったなフタバ!上質の魔導器官が君の中にできたよ!」


 強く抱きついていたフタバだったが、突然身をひねって俺の唇にむさぼり着くようにキスをしてきた。深く深く絡み合いながら。

 その動きで、フタバのブラがズレて、重い果実が俺の両手のひらにこぼれ落ちてきた!


「何これ、私もユキトくんとこうなっちゃうの〜・・・」


「相性が良すぎたのでっす!」


 クルミちゃんとミオちゃんは、ペタンと床に女の子座りして、真っ赤になってうつむいてモジモジしてた。


 その間も、フタバは俺の頭を両手で抑えて唇を離してくれなかった。




*************


【応援よろしくお願いします】


「面白かった!」


「続きが気になる!読みたい!」


「ユキトの今後はどうなるの?」


と思って頂けたら、


下の♡と☆☆☆から、作品への応援をお願い致します。


面白かったら★★★、つまらたかったら★、正直に感じた感想で大丈夫です。


また、+フォロー頂けると本当に嬉しいです。


作品作りの参考にいたしますので、何卒宜しくお願い致します。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る