第7話

「お前が冒険者ギルドに加入?できるわけないだろうがこの人類の恥晒しが。とっとと帰れ!」


「え?あっ、普通は誰でも冒険者登録できるもんなんじゃないんですか。」


「そんなこと知ったことか、お前の噂は聞いている、自分のこれまでの行いを恥じるべきだな。」


冒険者ギルドって一応国なんかに縛られないはずなんですけど、私が何をしたら冒険者ギルドにまで嫌われてしまうんでしょうか?あの勇者生かしておけませんね。


うぇー疲れたー。

なんで冒険者ギルドに登録しようとしただけで追い出されるんですか。

これじゃあ就職もできないし、宿代も安くならないじゃないですか(こっちが本命)。


「もう嫌だ~、何もしたくな~い。」


とは言えお金が、お金がこれ以上減ると本格的に不味い。就職もできなさそうだしどうしたものでしょうか。


「おーい、お客さんに会いたいって言う人来てるよ、どうするの?」


宿の女将さんが私の部屋に入ってきた。この人だけだ私のことを泊めてくれたのは。

いやー恥ずかしながら泊まるところがなくて困ってた時にこの人が声をかけてくれたんだよね。本当に助かった。だからこそ宿泊代の滞納なんてしたくないんだけど。


そんなことを思いながら私は無意識に質問に頷いていたみたいで私の客?が来たみたいだ。


「はーい、何の用ですかー?」


私に用がある人なんているわけがないと思っていたから適当にあしらうつもりでいた。

でも、そんなことはなかっただってそれは幼馴染のレイヤだったからだ。


「お前、大丈夫なのか?勇者パーティーを追放されたって聞いたが。お前が勇者を陥れて魔物の森にノッチとイサムを呼びこんで魔物に殺させようとしたとかって聞いた。お前がそんなことするわけないと思っているが本当のことかどうか教えてくれないか?」


こうして私はレイヤにこれまであったことを話した。



……――……

「なるほどな、イサムがお前を無能扱いして追放した、と。」


どんな噂が広がっているのかはわからないがイサムは私が不利になるような噂を流していることは確実だろう。


「私どうしたらいいんだろ?」


正直なところ今はお腹がすいているのでレイヤに奢ってほしい。というか多分私よりもレイヤの方が稼いでいるはずだから。


それをどういう風に伝えようか迷っていたらふいに猛烈な空腹感に襲われて視界がぼやけてきた……。

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