第2話 ミレイヤ王都にて

朝になった。



明るい天気で、これからの私の新たな門出を祝福してくれているようだった。

私は着替えるとすぐに部屋の外に出た。すると、メイドが外に立っていて、謁見前に勇者パーティーのメンバーと会うから付いて来てくれという旨のことを言い、私を連れて行ってくれた。


そこにいたのは、鋭い目つきの少年と少し暗い雰囲気を覗かせる少年と少し抜けてそうな大柄な少年だった。


「なんだ、お前が聖女か。そうか俺はイサム・ベルーダだ。」


眼つきの鋭い少年、イサムがガサツに挨拶すると同時に他のメンバーも挨拶をし始める。


「俺は、エルダ・ヴィッチ、よろしく。」


少し暗い雰囲気の持ち主、エルダが声を掛けてくる。


「僕はノッチ・ドラズムっていうんだ。よろしく。」


そして、ゆっくりとした口調で大柄な少年、ノッチが挨拶をした。


「私はミレイヤ・ウィズレイド。よろしくね!」


最後に私が自己紹介をした。このメンバーで世界を救うのだと考えると感慨深い。全員が生きたまま魔王を討伐できればなと思う。

そして、この国の王、エリベター・ライアンティールと謁見した。謁見といっても大したことはなく、勇者様方には頑張ってほしいとかそれぐらいである。


それから私たちは各自訓練場所や、集合時間を伝えられ、部屋に帰された。

正直私は暇だった。両親もまだ来ないしレイヤとも会えないし、少し心細かったし何をすればいいのかわからなかった。


そして私は訓練にばかり夢中になってあまり誰ともコミュニケーションを取らなくなった。別にみんなのことが嫌いとかなわけでもないのに、急にコミュニケーションを取らなくなった私は知らず知らずのうちに孤立していくことになるとも知らずに……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る