第1話 同僚が休職へ

『自分の体験を元にこのお話を書く』と言いながら、いきなり何故他人の話なんだ?!

 とお思いになる方もいらっしゃるかとは思いますが、これはまず最初に書かざるを得ないお話です。

 なぜなら。

 わたしの【適応障害】が発症してしまった最大の要因だからです。


 少し職場の役割説明をしましょう。

 休職となってしまった同僚のUさんは、わたしと同じチームのチームリーダーを担っていました。

 そして私は、Aさんという同僚と一緒に、サブチームリーダーとしてUさんを支えていました。

 チームリーダーの仕事は照会応答から業務調整、雑務まで多岐に渡っているため、本来は担当業務は持たない方がいいのですけれども、前チームリーダーが突然異動をしてしまった関係でUさんは自分の担当業務を手放すことができずに、持ったままチームリーダーを担い続け……徐々に体調を崩していきました。

 最初は難聴でしたでしょうか、それから眩暈、不眠、何でもない時に涙がボロボロ出てくる、手が震えてくる。


 わたしたちの所属している会社では、年に1度は「ストレスチェック」というものを実施していて、UさんもAさんも、もちろんわたしも(笑)毎年のように【高ストレス】判定が出ていました。

【高ストレス】判定が出ると、『産業医面談を受けますか?』というメールが入るのです。

 それがまぁ……面談日程がいつだって、わたしたちの職場の繁忙期にかかっていて、面倒だからとお断りしていたのですが、昨年(2022年)、ついにUさんは産業医面談に臨みました。


 結果。


【上司とよく話し合いましょう】


 ……ねぇこれ、意味ある?


 と、ただの時間の無駄でしかなかった産業医面談。

 その直後でした。

 わたしが「ベースの音から入る●●の曲、聴いてごらん?難聴になっていたらその曲の冒頭の音、全然聴こえないはずだから」とお勧めした曲を聴いたUさんは、曲の冒頭が全然聴こえない事に気づいてようやく自身の難聴のひどさを自覚し、心療内科を訪れたのでした。


 その時彼女に下された診断は【適応障害:休職3か月程度を要す】


 診断を下されたUさんは、2022年12月初旬より、休職に入ってしまいました。


 今思えば、ですが。

 もっと早く、そしてもっと強く、Uさんに心療内科の受診を勧めるべきだったと。

 とても悔やまれます。

 2023年5月現在。

 Uさんはまだ復職できていない状況です。(管理職より、「もう少しで復職できそうだ」、とは聞いていますがね)

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