現実主義者の日常と秘めたモノローグ

意外と珍しい設定の、とある少女の日常を描いていて良かったと思います。
妖精をお婆さんから受け継いだというファンタジー設定に溺れず、微妙な心の動きが違和感なく本当のことの様に綴られていく。
特にラノベって女子の心理描写が有り得ないものが殆どで、男の妄想の貧困さに辟易するけど、この作品の心理描写は素晴らしく、タイトルにもある現実主義者としての表現や結末も頷ける物でした。
この尺なので、無理に本人の成長や変化を持たせるより、自分や他人とその能力を使ってどう折り合って行くかを何となく掴んだかのようなラストも現実主義者としてのドラマとしてちょうど良いものになってるかな、と思いました。

蛇足ですが、ここ迄の話なのにその後の設定やプロットがあらすじ欄にあそこまで出来てるのもスゴイです!