小さな勇気は、少女を笑顔にさせた素敵な魔法。

『辞書君とスマホちゃん』の続編。
 続編とはいっても、前回登場した「辞書くん」「スマホちゃん」がメインではありません。彼らの周囲にいる、また別の人たちに焦点を当てた話になっています。

 今作は小学四年生の結衣ちゃんが、クラスの友達を誘って、商店街のハロウィンのイベントに参加するのがメインのお話(「辞書君」と「スマホちゃん」も脇役としてちゃんと登場します)。
 結衣ちゃんには四人の友達がいるのでその子たちを誘うのですが、このとき「清水香帆ちゃん」という子にも声を掛けます。香帆ちゃんは結衣ちゃんにとって、「友達」とよりも、単なるクラスメイトという感じ。

 香帆ちゃんは、いじめられているわけではないけれど、いつも一人でいる子。
 家事と弟の世話で忙しいせいか、放課後誰かと遊んでいることもありません。

 それには事情があるのですが、このハロウィンのイベントには、参加したいと言う香帆ちゃん。結衣ちゃんは嬉しい気持ちになるのですが、イベント当日、香帆ちゃんにある困ったことが起こってしまうのです。その上、この「困ったこと」は、結衣ちゃんだけではどうにもできないことで……。

 どうなってしまうのだろう……と、読者の方は思うかもしれません。
 しかし、『辞書君とスマホちゃん』には、とても心強い味方がいます。

 それが誰なのかは、是非本文で確認していただきたいと思いますが、その「味方」のお陰で結衣ちゃんは勇気を出して、困っていた香帆ちゃんに手を差し伸べることができます。
 どうやってその問題を解決したのか、続きが気になった方は読んでみてください。きっと温かな気持ちになれると思いますよ。