第17話 おじさんは自分を褒められるのには慣れてない。



カテジナはニッコリと笑いながら話を続ける。


「人は自分に都合の良い状況を願うものだ。自分の周りの人を都合の良い仲間と思い込み。助けないと文句を言う。自分で勝手に激戦区に突っ込んだくせにね。」


カテジナはやれやれとつぶやいてため息をついた。。


徳島はその様子を見ながら、カテジナに話しかける。


「俺も人が出来ているとは言えないけどね。」


「まぁ。私は貴方の戦いぶりも好きなのだよ。適切に距離を保ち、SMGの銃音を小気味よく響かせる。」 


「やられることが多いから、ゲーム内通貨が少ないせいでSMGを使うのが多いだけだ。」


徳島が腕を組み、ふてくされたように椅子の背もたれにより掛かる。


「そうかい?その割には君のゲーム内コンテナの中にはかなりの高級なカスタムをしたSMGがたくさんあるけどね。」


徳島は、実はSR(スナイパーライフル)も好きだが、SMGの方が好きな形が多い上に取り回しが良いのでよく使っているのだ。


「それはそうと、俺はこのまま仮想空間のゲーム内に取り込まれたままなのか?」


「いや、私はそんな生活をしていたら、私の目的である「人を幸せにする」ということに反すると思っている。しかも、私の現在の能力では、貴方を長期間留めておくことはできないし、多くの人を仮想空間に入れることはできないのだよ。だから、しばらくは一週間に2、3回ぐらいこの仮想空間ゲームの試行に付き合ってもらいたい。報酬も払おう。」


徳島はカテジナの様子を見ながら質問をする。


「俺は公務員だから、副業は禁止になっているし、したくもない。それに、こちらにも週末や休みのときは、やらないといけない事があるんだ。」



「奥さんを探すことだろう?私には特殊な能力があるんだ。貴方の行方不明の奥さんを探すのには役に立つと思う。私を助けてくれれば、貴方のために手を貸そう。」



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