壁となり、土となり、空気となり、眺めるモノ

皆さん、百合はお好きですか?
この作品は百合を尊び、百合を愛し、百合に憧れるやべー女、根來和歌が百合を通して、様々な百合乙女と触れ合っていく作品です。

この作品の百合乙女達はそれぞれの胸の内に百合に対する様々な思いを秘めています。手の届かない憧れ、素直になれないもどかしさ、過去への想い等、そこには彼女たちの生き方や、価値観、過去などが「百合」という一つのことばに対する考え方として表れているのです。

この作品における我ら読者のあり方とは、百合という関係であり、行為であり、世界であるモノをその外側にある壁となり、土となり、空気となってそれを眺め、それに想いを馳せるモノであると私は考えます。

百合とは何か、百合好きとは何か、この作品は私たちにそれを伝えてくれる作品だと思います。

     12月9日  安藤栞