雲の子ら草いきれ呼ぶ白昼夢

くもくさいきれ白昼夢はくちゅうむ


       ◇


草いきれ……草むらの、日差しを受けて発するむせ返るような熱気。夏の季語。


 湿度の高い夏の昼下がり、空気がぼんやり白んでいる感じはけっこう好きです。

 その半分くらいはおそらく暑さにやられて頭がぼんやりしているだけなのですけれど、そこらじゅうが雲の始まりのような、霞む夢のような雰囲気が幻想的に思えます。

 蚊のやつらが出てこないならば、あのもわっとした匂いも良いものです。わたしの血はどうやら美味しいらしく、できるだけ夏の湿った場所には近寄らず、遠くから眺めるだけにしているのです。

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