第6話 王都に

その後、俺だけが別室に呼ばれライア王女と話をする事になった。


「さて貴方ですが、適性が無い事がはっきりしました…残念ながら貴方には魔王軍と戦う力がありません、数日のち、この城を出て行って貰う事になります」


まぁ、無能じゃ戦力にはならないな。


「それは解りますが、先程生活の保障をして下さると聞きましたが」


何だかこの王女目つきが悪いな。


「ハァ? 貴方は戦力外です、召喚された方を優遇するのは魔王軍と戦って下さるからです。戦う事も出来ない貴方を優遇する意味はありません…とはいえこのまま追い出すのは無情ですね、一か月の生活費と国からの身分証明書を特別に与えます。今日は特別に晩餐への参加を認め、城へも泊めてあげますわ」


「姫様のご配慮に感謝するんだな、役立たず」


余りにも馬鹿にしている。


「今更晩餐に出ても仕方ないな! どうやら俺は役立たずらしい…ライア姫様、晩餐は辞退します。すぐに出て行きますので、生活費と身分証明書、あとすいませんが外で食べるのでお弁当でも下さい」


本当に腹が立つ、後で覚えておけよ。


「貴方がそれで良いなら構いません…もう会う事も無いでしょう、それでは」


「ふん、役立たずがお金や身分保証が貰えるのだ、ありがたく思うのだな」


本当にムカつく。


まぁ何を言っても負け惜しみだし、向こうは権力者だ。


「ありがとうございます」


それだけ伝え俺は出て行った。


どうせ碌でも無い奴らだ。


関わる必要は無い。


かといって一国の王族、怒らせるのは不味いこんな対応で良い筈だ。


◆◆◆


王都についた。


貰ったお金は金貨1枚。


身分証は有効だが、紙なので駄目にするといけないから、何かのギルドに登録した方が良いと門番のおっちゃんが教えてくれた。


ちなみに、金貨1枚の価値は10万円位みたいだ、リンゴ換算だから微妙だけど…


偉そうにしやがって1か月分の生活費になってねーじゃん…


まぁ良いや。


「あの…王都にはカジノはありますか?」


「あるが、お勧めしない…城から追い出されたんだろう? 異世界人なら、その金が頼りの筈だ…地道が一番だぜ」


「そうですね…肝にめいじます」


「ああっ、そうしろ…頑張れよ」

「はい」


門番の方が余程真面だな。


まぁ良いや…早速『イーグルコイン』を使ってみるか?


それより…冒険者登録が先かもな。


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