異世界転移転生管理局

@kisaragikanoto

第1話 VS DQN なぜ、言葉が通じない!

異世界転移転生管理局


それは、近年増加した異世界などの往来に対して、いい加減にやばいんじゃないのか?

と考えた存在により結成された組織である。



何が、やばいというと———

オーバーテクノロジー、魔術が進歩した世界に科学技術を持ち込む


異常なスキルを異常な人物が持ち込む


異常な知識を所有する者が————など、その世界の未来に多大な影響を与え、なおかつ、修復不可能な損害を与える可能性のある者


これらを規制、退去、管理、封印、消滅する事を目的とした組織である。




まあ、ぶっちゃけ、神や秘儀で拉致される事があり、規制が無理なら各世界の管理者で協力して不穏な物を通過しないようにしようと言う事だ。


たまに違法した神が、自分が召喚した異世界人に殺害される事件が起きるし、神の中には元異世界人が居て、そう言った元人間の神も組織運営に協力している。




まあ、此処、日本支部は私の管轄区域————

今日もまた、異界へと訪れる人が来ました——————










何もない白い空間に奇妙な魔方陣が描かれ、光が放たれたかと思うと、一人の男子学生が立っていた。


「なっ!?なんだ此処は!!俺は———」

今回の案件は————異世界召喚————転移というわけですか。


『まずは、身体検査を行います』

私が告げると、男子学生は周囲を見渡す———

「おい!!どこにいる!!ここは何だ!!」


私の声だけが聞こえて姿が見えないことに、男は軽くパニック症状を表していた。


『落ち着いてください。私は————あなた方の言うところの神という存在です。』

とりあえず、テンプレですが、簡単に説明をしました。



「つまり、俺は異世界に召喚される途中で、検問されているって所か?」

落ち着いてきたが、それでも何か落ち着かない様子だった。


『どうかしたんですか?』

「声はするが、姿が見えないことに違和感が————」

確かに———

「それに、まだアンタが信用できない」

こうも、はっきりと言われるとは———まあ、良い————

私は空間に業務用デスクを作成し、姿を現した。

昔に姿を現すときに、現代の衣服を着用して居なかったら、怒られた事がありますから————

しっかりと面接官のようなスーツを着て具現化しました。


「なっ————」

何もない所から物が現れるだけで、人間は驚く———なんとも愚————

「ガキかよ」

その言葉に、イラりときた。

『神を餓鬼扱いとは失礼な人ですね』

頬を引きつかせながら、なんとか神としての威厳を保ちつつ、私は次の説明をした。

『異世界転移において、転移先は科学ではなく、魔法文化が発展中の、いわゆる剣と魔法の世界です。』


異世界に転生、転移する人は、今までの世界からの移動で必要なスキルを向こう側の管理者から提示されたスキルを得る事が出来る。


転生者については、この際、省くとして————

『向こうの管理者から、提示されたスキルは、剣術スキル、経験値倍加スキル、自動回復スキル、異界語翻訳スキル、固有スキルは加速(通常の2倍の速さで行動可能)ですね。』

まあ、生存目的なら妥当だろう。

『召喚の目的としては、召喚主は姫で勇者を希望している。向こうの目的は十中八九、魔王討伐————まあ、逃げたければ逃げてもいいし、召喚拒否も一応できる。

召喚ミスで、そこで隠れて暮らす事も出来るけど———』

そこまで行ったところで、男の様子がおかしいことに気づいた。

『何か不都合な点でも?』

私は彼に質問すると————

「なんだよ、そのスキル!!こちらは勇者として呼ばれるのに、剣術?自動回復?固有加速?ふざけるな!!こちらは今まで楽しく暮らしていたのに、拉致された被害者だぞ!!

もっと、無双できるスキルとか渡すからと頭を下げるべきだろ!!」

無茶苦茶怒鳴られた。


『仮に尋ねるけど———このまま、元の世界に帰れるとしたら?さっきも言ったけど召喚拒否で————』

「おいおい、ふざけているのか!!俺の助けを求めているのに見捨てるとか———俺を外道だと思っているのか?」

めんどくせぇー

『じゃあ、何を望むのです?』

とりあえず、この手の類は、自分の希望を通そうと受け入れの姿勢を取れば、答えが見えてくるはず———

「話が分かりそうだな!さすが神と呼ばれるだけある!」

召喚の審査以前に、人として生まれ変わらせた組織に苦情を出したくなる。


そんな事を考えていた時、男が願った事は————

「俺の望みは————魅了の力を貰う事だ!」

唾を顔に吐き掛けてやろうかと思った。


『みっ……魅了の力を望むのですか————』

異世界に持ち込んじゃいけない違法スキルの上位に位置するスキルだ!!

ちなみに、他には、強奪、即死、反射、無限吸収などが存在する。

「ああ!世界唯一の勇者である俺が前線に立つとか———何かあったらどうするんだ!

それに、勇者である俺から愛されるのを恥ずかしくて拒むやつがいるかもしれないだろ」

などと言うが————私から見て恥である方の恥ずかしさなら理解できる。

下手に嘘をついても面倒なので————

『出来なくはないが、代償を————』

そこまで言————

「おっしゃ!!!俺の時代来た—————!!神様!!俺すぐ異世界に行く!!」

案の定、代償の話を聞いていない

『それは良いが、代償の件は—————』

とりあえず、お役所仕事みたいなものだから、存在は伝えておくが————

「俺を愛する彼女たちが護ってくれるから、そんな呪いなんて、いつか解いてやる!」

呪いと言いましたか!!こんの畜生の色魔が!!

『わかりました!それでは魅了の力を授け、転移を許可します!』

そう言って、魔方陣を形成させると———

「一応礼を言うぜ、餓鬼!次に会う時までに、少しは成長しとけよ!俺好みなら抱いてやるからよ!!ヒョーウー!!」

そう言いながら、自分をイケメンと思って格好つける男を見ながら、再度、頬が引きつるのを感じた。


あのバカは発動許可をしていない魅了の力を私に向けて発動した気になりながら、移動しやがりました————


あんな危険な能力を、転移前に発動可能にするわけがないでしょう!


私はそう思いながら、代償による結末を想像することで、怒りを鎮めるのであった————


そして、また魔方陣が起動する————


さて、次の仕事だ—————







おまけ

「よっしゃ!!!!俺参上!!」

俺は初めからクライマックスな勢いで声を上げた

「おお!王女よ!!よくぞ勇者の召喚に成功させた!!」

偉そうな男が、魔方陣の近くに満身創痍だが美人な女性にそう言っていた———

あれが、姫か!いい女じゃないか!そう思っていると、倒れそうになる姫にイケメンが瞬時に走り寄り、体を支えると王女は頬を赤くしながら、男を見ていた————

(おいおい、なに人の女に手を出しているんだ!!この世界の美女はすべて俺の物なのに!!)

「おいおい、てめぇ!!なに人の女に手を出していやがる!!」

俺は怒りに身を任せて、そう声を出すが

「何を言うんです!!わたくしが、貴方のもの?何の話をしているんです!」

まったく、いちいち、説明させるなよな!まあ、良い!

どうせ、すぐに俺の女になるんだ!!


スキルの発動については

ここに移動する前に、この世界の管理者の野郎に、呼び止められ、俺を見た後————

本当にそのスキルを持ったまま転移するのか?と言われたが、俺は一刻も早くハーレムを作りたかった!


とりあえず、発動方法の説明は受けた。

召喚されて、スキルを発動したら常時起動し続けるらしい———つまり、俺の世界のあの餓鬼には発動すらしていなかったらしい!!




「スキル発動!!魅了!!」


俺の体から光が迸る!そして————俺は王女に手を指し伸ばし—————

「王女よ、俺の下に来い!可愛がってやるぜ!」

胸を高鳴らせながら、そう叫んだが————そこで違和感を覚えた————

こんなに興奮しているのに————股の息子がピクリとも反応しない!?

それどころか————

「なんで、わたくしが—————きゃぁ!?」俺の目の前で王女を支えていた男が急に王女そっちのけで俺の方に近づいてくる!?

いや、そいつだけじゃない!!周囲にいた兵士が全員————俺に近づきながら————

鎧や服を脱ぎながら、息を荒げて近づいてくる!!!!

「なんだ!!これは!!!なんだ!!これは!!!!」

戸惑う俺を無視して、全裸になって血走った目で—————奴らは俺の体に——————






「ぎゃぁぁぁ—————」

男に群がる男の群れを見ながら—————

『某は戦慄が走った—————!!あの女神の呪いに戦慄が走り申した!!!』

そう叫ばずにはいられなかった!!

あの女神が通した男のスキルを見た瞬間————某の背筋に悪寒が走ったのを今でも覚えている———

スキル 魅了(同性限定狂化)代償ED(勃起不全)


容赦なくこの代償や能力を付与して送り込むかの世界の管理局支部の神に小さな悪魔と呼ばれる担当者が居たが———ここまで恐ろしい事をするなんて————

そう思いながら、息絶える男の声に耳を塞ぎながら、某はこの情報を指示道理に送るのであった—————





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