第10話 資金集めの第一関門①


昨日の配信から一夜明け、俺はアルバイトの求人サイトとにらめっこをしていた。


ファミレスから始まり、某ハンバーガー店やスーパーなど様々なアルバイトが掲載されている。


しかし俺はこれらに興味はない。

虫眼鏡マークを押して、コンビニを検索する。

するといつも小腹が空いた時にお世話になっていたセブントウェルブが求人を出していた。


ここなら近いし全然いいかもな。

レジも自動だし、楽かも。


そんなことを思い、仕事内容や求めている時間帯などに目を通していく。

すると、早朝、昼頃に募集があった。


「……できれば深夜にも入りたいなぁ…。」


しかし、深夜帯は募集があるわけではない。

皆さんもわかっていると思うが、深夜は時給が高く設定されている。

言ってしまえば稼げるのだ。


「深夜ないのか…。

なら一旦パスだなぁ。」


もう少し探したら深夜帯の募集があるかもしれない。

とりあえずここは保留にして、検索欄に

『深夜』

と付け加えた。


すると、家から歩いて30分くらいの駅前にあるセブンの募集欄に


『求 早朝 昼 深夜』


と表記されていた。


「…30分か…。

……まぁ、許容範囲かな。」

歩くことは別に嫌じゃないし、辞めたことで運動量も減っていくから、そう思えばちょうどいい運動になるんじゃないだろうか。


ここにしよう。とエントリーボタンを押した。すると、そのセブンのオーナーと直接メッセージのやり取りができる画面になった。


『小田桐 佑様


この度は弊社にご応募いただき、ありがとうございます。


いきなりにはなりますが、近日中に面接を行いたいと思います。


ご都合が合う日程、時間等をこのメッセージ欄にご記入いただければ幸いです。


また、面接の際は履歴書をご持参いただくようお願い致します。』


するとすぐに、この文が送られてきた。

多分自動だろうな。

しかし、『面接』って聞くとやっぱ緊張するものがあるな。


しかし日程か。

……うん。いつでもいいな。


あとは履歴書を書く時間も考えて、望ましいのは明日以降なのかな。

よし。


そして俺は、明日以降ならいつでも、何時でも大丈夫だということ。面接をしていただけることに対してのお礼の文を転送した。


オーナーも忙しいだろうから、返信は遅くなるだろうと思いつつも、できるだけ早く履歴書の為の写真と用紙を買いに行かなければならない。

早めに準備しておいて損はないのだ。


「よっし。買い物がてら少し運動するか。」


ランニングウェアに袖を通し、財布を持って外へ出た。


不思議と、やる気が満ち溢れている。






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