今ここに、グロテスクの華が開花する

グロテスクとは本来、不調和に変形して描かれた図像を指すのだそうです。
本作はまさに、リアルな人間の醜さと愚かさが生々しく緻密に描かれ。
それを映し出す主人公の心は、それらすべてを呑み込んだ狂気をあらわにしてゆく。
もっともグロテスクなものとは“人間”ですらなく、“自分自身”なのではないでしょうか?