第4話 私と貴女④
翌朝になると私はすぐに愛梨に連絡を入れるのです。
そうすると彼女も同じことを考えていたらしく、ほぼ同時にメッセージが届いたのには驚きました。
内容はほぼ同じものでした。
その内容を見て思わず笑みが溢れてしまいます。
だって好きな人と同じことを考えていることがわかったのですから嬉しくないわけがないじゃないですか。
その日の授業は全く頭に入ってきませんでした。
昼休みになり、いつものように愛梨と昼食を食べようとしていたときのことです。
彼女が急にこんなことを言い出したのです。
愛梨が指差したのは私の唇でした。
最初は意味がわからず首を傾げていると、彼女はこう続けました。
どうやら昨日キスした時にリップが取れてしまっていたようです。
確かに言われてみれば唇が乾燥しているような感じがします。
そのことを自覚した瞬間、一気に恥ずかしくなってしまいました。
その様子を見た愛梨は悪戯っぽい笑みを浮かべると、顔を近づけてきました。
何をするつもりなのか察した私は咄嗟に目を瞑りました。
次の瞬間、柔らかい感触が伝わってきました。
それはほんの一瞬のことでしたが、私には永遠のように感じられました。
ゆっくりと目を開けると目の前に愛梨の顔があって心臓が跳ね上がりそうになりました。
当の本人は満足げな表情を浮かべていて余計に恥ずかしくなりましたが、同時に嬉しさも感じていたのでした。
放課後になるといつものように二人で下校しました。
途中コンビニに立ち寄ってお菓子や飲み物を買ったりしながら楽しく過ごしました。
そして家に着くと手洗いうがいを済ませてからリビングに向かいます。
「あ、ちょっと待って」
と呼び止められたので振り返ると、そこには愛梨の姿がありました。
何か用があるのかと思っていると、いきなり抱きつかれてしまいました。
「え!? ちょっ、どうしたんですか!?」
突然のことでパニックになっていると、彼女は耳元で囁きかけてきました。
「ねぇ、キスしてもいい?」
そう言われて一瞬思考が停止してしまいましたが、なんとか持ち直すことができました。
「ど、どうしてですか?」
恐る恐る尋ねると、彼女は微笑みながら答えてくれました。
「なんかしたくなっちゃった♡」
そう言われた瞬間、私の顔はさらに赤くなっていきました。
「そ、そうですか……」
動揺を隠しきれないまま返事をすると、
「嫌?」
と聞かれました。
「別にそういうわけじゃないですけど……」
と答えると、彼女は嬉しそうに微笑みました。
その表情を見た瞬間、胸が高鳴るのを感じました。
(やっぱりこの人のことが好きだなぁ……)
改めて実感させられると同時に愛おしさがこみ上げてきます。
「ふふ、ありがと♡じゃあ遠慮なくさせてもらうね」
その言葉を聞いた瞬間、鼓動が激しくなるのを感じました。
これから何をされるのかわからない恐怖と期待が入り混じった複雑な感情に支配されながらも、私は黙って受け入れることにしました。
そうすると、愛梨の顔が近づいてきて唇を奪われてしまいました。
その瞬間、頭の中が真っ白になって何も考えられなくなりました。
「んちゅ……れろぉ……」
舌が絡み合う音が耳に入ってくる度に羞恥心が込み上げてきて全身が熱くなるのを感じました。
しばらくして解放されると、二人の間に銀色の橋がかかるのを見てますます顔が熱くなってしまいます。
「はぁ……はぁ……」
乱れた呼吸を整えていると、愛梨は妖艶な笑みを浮かべながら囁いてきました。
「ねぇ、もっとしたいって言ったらどうする?」
それを聞いた瞬間、心臓が止まるかと思いました。
まさかそんなことを言われるとは思ってもいなかったからです。
ですが、それと同時に喜びを感じている自分がいることにも気付きました。
「えっと、その、それってどういう意味でしょうか……?」
恥ずかしさを堪えながら尋ねると、
「言葉通りの意味だよ? それとも嫌だった?」
と返されてしまい、言葉に詰まってしまいました。
(嫌なわけないじゃん! むしろ嬉しいに決まってるでしょ!)
心の中で叫びながらも口に出せるはずもなく、黙り込んでいると、
「あはは、ごめんごめん冗談だから気にしないで」
と言われてしまって少し残念な気分になりました。
それからというもの、愛梨とは以前よりも親密な関係になった気がします。
学校では常に一緒に行動するようになり、休日も一緒に過ごすことが多くなったのです。
そして、ある日のこと、私は愛梨の家に遊びに行くことになりました。
チャイムを鳴らすと、中から返事が聞こえてきました。
ドアが開くと、
「いらっしゃい、待ってたよ」
と言って出迎えてくれました。
中に入ると、まずはお茶を出してくれてから部屋に案内されました。
部屋に入ると、そこは綺麗に整頓されていてとても居心地の良さそうな空間でした。
「うわぁ、素敵なお部屋ですね」
と言うと、愛梨は少し照れたように笑いながら、
「えへへ、そうかな?」
そう答えました。
私はカバンを置くと、早速本題に入ることにしました。
「あの、今日は何して遊びましょうか?」
と聞くと、愛梨は笑顔で答えてくれました。
「うーん、そうだなぁ……」
しばらく考えた後、
「あっ、そうだ! 久しぶりにゲームしない?」
と聞いてきたので、私は頷きました。
そうすると、愛梨は棚の中からゲーム機を取り出しました。
それを見た瞬間、ワクワクしてきたのですが、同時に緊張もしていました。
(どうしよう……ちゃんとできるかな……?)
不安を感じながらも準備に取り掛かりました。
2時間ほど経った頃でしょうか、私たちは夢中になって遊んでいました。
というのも、このゲームが想像以上に面白かったからです。
特に対戦型のものは白熱してしまい、ついつい時間を忘れてしまったほどです。
結局勝負は引き分けに終わりましたが、それでも十分楽しめたと思います。
その後も何度か対戦しているうちに、
「そろそろ休憩しようか?」
という愛梨の提案で一旦切り上げることにしました。
その後はお菓子を食べたりしながら雑談をして過ごしました。
話題は主にお互いの趣味についてでしたが、どれも興味深いものばかりだったので飽きることはありませんでした。
そうして過ごしているうちに夕方になりつつあったので帰る支度を始めようとした時のことです。
突然腕を掴まれ引き寄せられると、唇に柔らかい感触を感じました。
(えっ!?)
一瞬何が起こったのか理解できずに混乱していると、口の中に何かが侵入してくる感覚がありました。
(これってもしかして舌入れられてる!?)
頭が真っ白になるほどの衝撃を受けている間にも行為は続けられていました。
「んっ……ちゅっ……」
水音を立てながら口内を犯し尽くされ、抵抗することも出来ずにいると次第に力が抜けていき立っていることすらままならなくなってしまいました。
そんな状態で長い時間貪られていたせいで酸欠気味になってしまい、意識が朦朧としてきたところでようやく解放されました。
「ぷはっ!」
唇が離れると同時に大きく息を吸い込むと新鮮な空気が、肺を満たしていく感覚に心地良さを覚えつつ荒い呼吸を繰り返します。
その間にも愛梨は、私の腰に手を回して抱きしめています。
もう何が何だかわからなくて泣きそうになっていると、彼女は優しく微笑みかけてきました。
「大丈夫? 落ち着いた?」
その問いかけにコクリと頷くと、再び唇を重ねられました。
「んんっ……!」
今度は先程よりも激しく蹂躙されていきます。
舌を絡ませられ歯茎の裏まで丁寧に舐められた後、唾液を流し込まれました。
それを飲み込むと喉を通って胃の中へと落ちていきました。
それが、まるで愛の薬のように身体中を駆け巡り体温が上昇していくのを感じます。
やがて呼吸が苦しくなり始めた頃にやっと解放してもらえました。
口の端からはだらしなく涎を垂らしており、目はトロンとして焦点が定まっていない状態のまま放心していると、愛梨は再びキスをしてきました。
今度は触れるだけの優しいものでしたが、それだけでも十分に気持ち良く感じてしまいました。
それからしばらくの間、何度も繰り返し行われたことで完全に骨抜きにされてしまった私はされるがままの状態になっており、
「はぁ……はぁ……」
恍惚とした表情を浮かべながら息を荒げていました。
(あぁ、幸せだなぁ……♡)
そう思いながらうっとりとした表情で見つめ返すことしかできませんでした。
そんな私を見下ろしながら彼女は妖艶な笑みを浮かべこう言いました。
「ふふ、可愛い♡」
そう言うと頭を撫でてくれたので嬉しくなってしまいました。
(もっとして欲しいかも……)
「もしかして花音、もっとキスして欲しいと思っているの?」
「うっ……! それはそのぉ……」
図星を突かれて動揺していると、クスリと笑う声が聞こえてきました。
どうやらバレてしまったようです。
恥ずかしくて俯いていると、不意に顎を持ち上げられました。
そしてそのまま顔を近づけられると唇を奪われてしまいました。
最初は軽く触れ合う程度のものだったのですが、徐々にエスカレートしていき最終的には舌を絡め合う濃厚なものへと変わっていきました。
(やばいっ、これ気持ち良すぎるよぉ……!)
「花音可愛いね♡もっとキスしようね♡」
「はい……」
言われるままに答えると、またキスをされました。
今度は最初から舌を入れられてしまい、口の中を舐め回されます。
その度に身体がビクビク震えてしまいますが、お構いなしといった様子で続けてきます。
「あ、あのね、もうやめて、愛梨」
「どうして?」
「だって、これ以上されたらおかしくなっちゃうもん……」
息も絶え絶えになりながら訴えると、彼女は妖艶な笑みを浮かべて、
「いいよ、おかしくなっても私が面倒見てあげるから」
と言ってきました。
「でも、恥ずかしいし……」
「大丈夫だよ、ここには私たちしかいないんだから」
そう言ってもう一度キスをしてきました。
今度はさっきよりも長く深いものでした。
「ふぁ……んん〜!」
声にならない悲鳴を上げていると、ようやく解放された頃にはすっかり蕩けきってしまっていました。
(ああ、だめだ……このままずっとこうしていたい……)
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