第14話 偵察

ピクシーたちが食事を終え、お腹を膨らませて休憩しているうちに、私は第2ダンジョンの内部を確認するために連れていくウルフを選んでいた。


その時にドワーフの戦士たちが声をかけてきた。


「お嬢ちゃん。前回はオーク1匹にウルフ4匹必要だったんだろ。今回は俺たちの戦闘部隊もついていくぜ」


「でも、今回は内部の調査とオーク1匹だけを狩りする予定ですよ。人数が多くなると逃げるときに大変になるのでは?」


「万が一の時のことを考えた方がいい。中の様子を確認する手段がないんだ。戦力は大いに越したことはない。それに外に出ていたのは1匹だったんだろ?それがはぐれなら問題ないが斥候だった場合、以前よりオークがたくさんいる可能性がある」


私はドワーフの戦士長が危険を避けることをよく考えてくれていることに感謝し、同行をお願いした。


結局、第2ダンジョンへ向かうのは私とウルフ5匹、ドワーフの戦士3人となった。リアカーは1台しか用意していないため、オークは討伐しても1体までということにした。


第2ダンジョンへ到着すると、まずはウルフたちににおいをかいでもらいオークが外に出てきていないことを確認する。そのあとダンジョンの中へと入った。


そこで確認できたのは、大量のオークと数体のオーガが戦闘をしている光景だった。


私はすぐに近くの崖へ身を隠した。他のメンバーも見習う。


「これは予想外だな。オークだけなら何とかなると思っていたが、オーガがいるとなると話は別だ。これはダンジョンの外に迎撃用の砦でも作らないと今の戦力では心もとないぞ」


その声を聞き取ったのか、はぐれていた1匹のオークがこちらへ向かってきた。私たちはダンジョンの外へ向かいながらオークを群れから釣り出す。


そして、外に出た瞬間に背後からウルフたちが襲い掛かることで怪我1つなくオークを討伐できた。


私たちはオークをリアカーに積み込むと、急いで第1ダンジョンへと帰る。防衛設備に関してはドワーフが考えるのが得意と自慢していたので任せることにして、それらの情報を皆で共有するために急いだ。


第1ダンジョンの拠点へと到着すると、私たちが血相を変えて戻ってきたのが伝わったのかハーフリンク族が集まってきた。私は魔物については詳しくないためドワーフの戦士長に詳しい説明を頼んだ。


私は後ろから話を聞いていて、何かが足りないと感じていた。


そっと目をそらすと、お腹を大きくしたピクシーたちが眠っていた。

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