現ダン~世界にダンジョンが出現したら離島はどうなる?~

るいす

第1話 ダンジョンが出現しました

世界にダンジョンが出現したらしい。私、夏川清美は「へー」という感想しか出てこなかった。


それから数か月経った頃、私はいつものように家でネット小説を書いたり動画編集をしたりと自由を満喫していた。というのも高校を卒業してからは島をでて就職までしたのだが体を壊してしまい家に居候しているのだ。


時々、家の手伝いをするだけで3食ついてくる。優良物件だ。私はダメ人間だが。


ダンジョンが出現したからと言って自分には関係ないと思っていた。こんな田舎(離島)にダンジョンが出現するわけもないし出現したからと言って潜りたいとも思わない。だが、意外な形で私はダンジョンに頼ることになったのだ。



「あれ?ネットがつながらない。お母さん。何かした?」


「機械音痴の私が何かできるわけないでしょ。それより清美。スマホもつながらないんだけどどうしたらいいの?」



私が母のスマホを確認すると、スマホは圏外となっていた。田舎なのでたまに起こることではあるのだがスマホもパソコンもつながらなくなることは珍しい。



そんな時に防災無線が鳴り響く。


「現在、ダンジョンから出没したと思われる魔物によって海は大変危険となっております。漁師の皆様は決して海に出ないようにしてください。繰り返し・・・」



家は漁師で、何とか食いつないで行ける程度しか働いていない。この離島の住人も1000人程度で食料は島外から販売目的で入ってくるものに頼っている状態だ。


特に野菜や畜産物は島ではほとんど生産されていない。塩害によって枯れてしまったり、イノシシなどの野生の動物に襲われてしまうからだ。



そんな離島が海の魔物があふれたことで孤立してしまった。食料や情報が入ってこないことが確定してしまった。私は母親に尋ねる。


「お母さん。家の食料はどれくらいもつ?」


「うーん。1週間くらいかね?」


私はどうにかしてこの食糧危機を乗り越えなければいけないことを察した。


そんな私はとりあえず、この島にダンジョンが生成されていないかを見回ることにした。


場合によっては数日はかかると思っていたのだが町役場に聞くと。


「見慣れない洞窟が2か所発見されています」


との情報が得られた。追加で。


「中に入った人から聞いたのですが、【初めてダンジョンに入場したためステータスを獲得しました】と脳内に声が響いたそうです」



私は心が躍ってしまった。異世界系や俺tuee系の小説を書くくらいには好きだったからだ。しかし、現実はそう甘くはないと言い聞かせるがとりあえずダンジョンに向かうことにした。



そしてダンジョンに到着した私は、一瞬怯みながらもダンジョンに入った。


【初めてダンジョンに入場したためステータスを獲得しました】


そう脳内に声が響き私は「ステータス」と声に出した。

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