パソコンの処理。

 パソコンの中身を見られたくないと言って、死後に消去してくれるサービスがあるらしい。


 そうであるなら、携帯も同じか。


 死後にどんな画像やメールが出てきたとしても、あるいはそれが法に触れるものだとしても、死んでいるのなら関係ないのではないか。


 ただ、私だって、自分で死の時期を選べるのだから、なるべく消したくはある。


 きちんと、手順通り破棄したとしても、信用は全く出来ない。


 すぐに思い付くのは物理的に破壊してしまう方法だが、携帯やパソコンの、どこを壊せば中身が取り出せなくなるのかは、よくわからない。


 風呂場に水を溜めて、そこに浸けておけばいいだろうか。それとも、強力な磁石でも載せておけばいいのか。


 日記の類はもう捨てた。

 あまり惜しいとも思わなかった。


 卒業アルバムは実家だ。

 あれはもういい。


 卒業文集?や旅のしおりなんてのも、長い間、持っていたが、何かの拍子に捨てた。これも特に惜しいとは思わなかった。


 いま「思い出」としてあるのは、ケータイの旅行先の写真や、メモ帳にたまに書く日記ぐらいのものだ。写真に人が映るのが嫌だった。自分や家族はもちろん、赤の他人もなるべく入らないように撮った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る