あらわれたコトバたち

香坂 壱霧

変遷

──静寂


  音が途切れることのない

  夜の町でそれを感じた

  音が途絶えたと思っていた

  けれど

  ただ

  息を止めていただけだった



──喧噪

  人は何を求めて

  この夜の町に繰り出すのだろう

  人混みに紛れて

  何かを紛らわせるためなのか

  それとも刺激を求めて

  そこに

  身をおこうとしているのか



──傍観

  輪の中にいるのに

  心は遠くにあるようだ 

  と

  何処を見ているのかわからない

  と

  いわれる自身の目



──終焉

  こんな日々を

  終わりにしたくなるのは

  息苦しい静寂を

  感じたくないから



岐路

そして

帰路


迷いながらも

踏み出す 一歩

選択した 未来



─────2012/08────

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