第二章12【シュルルク古城】

「━ここも、妙に静かね」


「ええ、そうですね。それでも、警戒を解かずに行きましょう」


 自分達は馬を使ってシュルルクの森の中を進んでいる。ここの森も先程までいた魔の森のように静かである。


 この場所は普段は立ち入り禁止区域になっているので初めて来るが、普段は入れないような森が安全なわけがない。より一層の警戒が必要だ。


「シュルルク古城までもう少しだ。早くシュウを見つけよう」


 そのまま先に進み続けていると、爆発音のような音が聞こえた。


「トビ、今の音」


「多分戦闘の音だ、シュウが近い。ここからは自分達の足で行こう」


 馬は目立つので、馬を休ませて音の聞こえた方へと進む。


「トビ、急いだ方が良いんじゃないですか?」


「いや、この音が魔族の可能性もある。そうだった場合は危険だ」


 来たことのない場所で無暗に動くのは危険だ。それにこの音がシュウだったとしても、彼ならそう簡単にやられはしないだろう。今は彼よりも自分達の安全が大切だ。


 音が大きくなってきた、すぐそばに誰かがいる。シュウだと良いのだが、


「トビ、いたよ!シュウだ!」


 更に進むとルカが最初に声を上げる。声の方を見てみるとシュウが魔物達と戦闘をしていた。


「よし、彼を援護する!アイリスは魔法の発動をお願い!」


「わかりました!」


「トビ!私は、どうする!」


「ルカは左の魔物達を!僕は右に!」


 シュウの元へ駆け寄りながら、役割を分担する。ルカと自分で両脇にいる武器を持った骸骨のような魔物を相手にする。アイリスには全体に対して魔法で後方から援護をしてもらう。


「シュウ、大丈夫か!」


「この骸骨みたいな奴、初めて見るんだけど!シュウ、こいつらの特徴は!」


「……対人戦を想像しろ」


「了解!」


 シュウの助言を聞き、骸骨の魔物へと斬りかかる。魔物は持っていた剣で自分の剣を受け止めてきた。なるほど、確かにこれは魔物というより、人と戦っているみたいだ。だが、相手が人のように剣術を使うなら、相手の攻撃も予測しやすい。対応は可能だ。


「はあぁ!」


 相手の剣を弾き、胴体を叩き切る。胴体に剣を喰らった魔物はそのまま支えを失ったかのように崩れ、ただの骨の残骸となる。

 大丈夫だ、この骸骨たちはそこまで強くない。恐らくはDランク程度だろう。自分達でも楽に倒せる。


「トビ、魔法いけます!」


「ルカ、シュウ!アイリス、魔法を!」


 こちらの呼びかけにルカとシュウの2人が素早く魔物から距離を取り、そこにアイリスの放った大量の氷柱が降り注ぐ。これでシュウが相手にしている魔物以外は倒せた。


「死ね」


 氷柱を受け、動きが遅くなった魔物にシュウが風魔法で急加速。そのまま接近して魔物の頭に剣を突き刺した。

 これでここにいた魔物はすべて倒した。シュウにも合流できたので、最初の目的は達成できた。


「どうして、来た」


「どうしてって、そりゃ来るでしょ」


 シュウの言葉にルカが軽口で返す。ルカの言う通り、ここへ来たことに特別な意味なんてない。ただ仲間が一人で行ってしまったから追いかけただけだ。

 ルカの言葉を聞き、シュウが外していたフードを被りなおす。その直前、トビアスはシュウの事を心配して、思わず加護である感受の瞳を発動する。


「邪魔だと言ったはずだ」


「ははは、僕は、言われてないからね」


「お前らは邪魔だ」


「シュウ、駄目だ。僕は君を独りにはできない」


 この時、トビアスが加護で見たシュウの色は黒だった。だが、ただの黒ではなく、どす黒い赤と、少しの黒っぽい青が混ざった黒だ。ここまで矛盾する感情を示す色は、トビアスは殆ど見たことが無かった。それでもはっきりと分かった。どす黒い赤が示すのは激しい殺意。相手をどんな手段を使ってでも、どんな犠牲を払ってでも殺そうとする激情。そして黒は憎しみ。


「いま君を独りで行かせたら、君はその強い憎しみのままに魔族を殺そうとする。たとえその命を引き換えにしたとしても」


「それが、俺が今日まで生き残った意味だ」


「それじゃあ、駄目だ。君は死んじゃいけない」


「お前らには関係ない」


「関係あるよ、僕らはパーティーなんだから。君に力を貸させてくれ」


「……」


 無言で古城に向かうシュウ。そんなシュウをみてトビアスは少し微笑む。こちらの事を突き放そうとするのにも関わらず、自分の頼みを断れない。激情に駆られていてもシュウの根底は変わらない。そのままトビアスは後ろにいたアイリスとルカの方へ振り向く。


「それじゃあ、行こうか」


「はい、そうですね」


「シュウ!私達は勝手について行くからな」


「……好きにしろ」


 やっぱり彼を独りにしてはいけないとトビアスは感じていた。彼が感受の瞳で見たシュウの感情の色は、主に『殺意』の黒と『恐ろしいほど強い憎悪』のどす黒い赤だ。だがそこに僅かながら混ざっていた色が黒っぽい青だった。そしてその色が意味をするのは、『自己嫌悪』である。

 シュウが何故、この状況でそのような感情を持っているのかはトビアスには分からない。それでも故郷の仇を討つため、独りで無謀に魔族と戦おうとする人物が、自己嫌悪の感情を持つだなんて普通の精神状態ではない。そんなシュウを放っておくことはトビアスにはできなかった。


 * * * * *



「シュウ、一応言っておくけど、もう少ししたらヴァイグルから兵士達がここに来る予定だ」


「駄目だ。不利を悟ったら、魔族は撤退する可能性がある」


「それじゃあ、あの魔物達を上手く躱して、魔族のところまで行きますか?」


 トビアス達は茂みに隠れながら、シュルルク古城を見ていた。水に囲まれた古城への唯一の侵入経路である短い石の橋の上には魔物が30体程度いるため、正面から侵入することは難しそうだ。


「どうするのよ、他に道はないし、橋の上にも敵の数が多すぎるわよ」


「時間が無い。魔法で、正面突破する」


 トビアス達が考えていると、シュウが茂みから出て、魔札を取り出す。


「シュウ君、どうするんですか!?」


「下がってろ」


 そう言ったシュウは魔力を魔札に注ぎながら走りだす。走ってきた彼に気付いた魔物達も臨戦態勢に入る。弓矢を装備していた骸骨達が弓を放つも、シュウはそれを避けながら接近していく。


「トビ!シュウあのままだと囲まれるわよ!」


「ルカ、待て!シュウには何か考えがあるはずだ!」


 シュウを追いかけ、飛び出そうとするルカをトビアスは停止する。彼はシュウが何も考えずに無謀に突っ込むことはないと考えた。その要因でもあったのは、彼が突撃する前に取り出したいつもより二回りほど大きい魔札だ。

 シュウは魔札を使って戦闘をするが、彼は常に戦闘で、魔札からの魔法発動を一瞬でする。それは発動する魔法が単体を相手とする前提とする規模の魔法だからだ。それでも、異なる属性の魔法達を一瞬で発動させるシュウは常識外れなのだが、今回は違った。シュウは走り出す前から、魔力を注ぎ、今も魔物の攻撃を躱しながら魔力を注ぎ続けている。しかもあの魔札は、通常の者よりも大きい。


「多分、シュウはかなり大規模な魔法を発動するつもりだ」


「それって、あそこの魔物達を一網打尽にする規模って事ですか?そんな規模の魔法って……」


 アイリスが目を丸くするが、トビアスもその気持ちだ。通常よりも魔力消費が多くなる魔札を使い、30体もの魔物を同時に倒す魔法を使用する事は、トビアスや、アイリスの魔力を合わせて、ようやく足りるかどうかと言ったところである。それを個人で、しかも本来の自分の魔力属性とは異なる魔法を魔札で発動させようとするなんて。それこそ、魔導研究員の職員ですら冗談だと言って鼻で笑う程だ。


「トビ!シュウが!」


 ルカが叫んだ時、シュウは魔物達の攻撃を躱しきり、彼らの中央である橋の中心に立っていた。そこでシュウは魔力を注ぎこんだ魔札を使い、魔法を発動させる。


「きゃあ!」


「アイリス!」


「ここでもこんなに風がくるって、どんな規模よあれ!!!」


 強い風が吹き、地面に転がりそうになるアイリスをトビアスが受け止める。ルカは叫びながら、魔法が発動している橋の方を見ている。トビアスも彼女と同じように、魔法を確認したが、その光景が信じられなかった。


「これは……Aランク相当の魔法だぞ」


 橋の中央を中心に竜巻が発生していた。竜巻に巻き込まれた魔物達の中で、身体が脆かった骸骨はバラバラになり、バラバラにはならなかった魔物も、竜巻の風で切り刻まれた後、吹き飛ばされ川の中に落ちていく。


「はぁ、はぁ、はぁ」


 魔法の発動が終わった時、橋の上に残っていたのは中心に立っているシュウだけとなっていた。魔力消費が激しかったのか、シュウはその場に片膝をつき息を上げている。


「シュウ!」


 シュウを確認したトビアス達が茂みから出て、彼の元に向かう。


「シュウ君!これを飲んでください!」


「……大丈夫だ」


 駆け寄ったアイリスが魔力回復薬を渡すも、受け取らず、自ら取り出した薬をシュウは飲み、すぐに歩き始める。


「ちょっと、待ちなさいよ、シュウ!魔力が回復するまでもうすぐかかるでしょ!」


「……」


 薬を飲んだところで、魔力は即座には回復しないので、暫く待つ必要があるのだが、シュウは止めようとしたルカの手を払いのけ歩き続ける。


 魔力が無くなるか、短期間で多量の魔力を消費すると、魔力欠乏症といって、まともに動けなくなるほどの倦怠感が全身を襲う症状が出るのだが、シュウは息が整うとこれまで通り歩き始めた。


「あ、あの規模の魔法を、魔札で発動したのに、魔力欠乏症に、ならないんですか」


 この様子を見てアイリスが、信じられない表情をして後ろからシュウを見つめている。まだDランクであるが、トビアスと違い、魔法を主に戦闘を行う魔導士である彼女は魔法の規模を見ればそれに伴った魔力消費がおおよそ予想できる。

 そんな彼女は、Aランク相当の魔法を魔札で使用したのにもかかわらず、魔力欠乏症にならずに歩き出すシュウの魔力量が異常だと気付いたのだ。それこそ、彼の魔力量はAランクの魔導士さえ上回ることに。


「アイリス、大丈夫?」


「……大丈夫、です」

 

 トビアスの手を取り立ち上がったアイリス達一行はシュウに続き、城内に侵入していった。



 * * * * *



 城内に侵入したトビアス達は城の奥へと進んでいた。事前に想定した通り、古城の中には魔物の数が少ないが、気付かれて集まってこられると厄介なので、隠れながら慎重に進んで行く。


「あっち側にいる魔物達は、後で来る兵士達が片付けてくれるはずだ。僕達は先に行こう」


 魔物をやり過ごしながら先へと進んで行く。


「ここに、本当に魔族がいるんでしょうか?」


「いる」


 アイリスの疑問に短く返すシュウだが、その発言に対して、ルカが怪訝な顔をしながら彼に問い詰める。


「なんで断言できんのよ?もしかしたらもう逃げちゃってるかもしれないでしょ?」


「感じるんだ。魔族はここにいる」


「感じるって、どういう意味よ?」


「……」


 解答にならない解答をして再び無言になるシュウにルカは、トビアスとアイリスの方を振り向き、肩をすくめる。こうなってしまっては、よほど無理に聞かない限り、彼が答えてくれない事を彼女達は既によく理解している。


 そのまま先に進むと、曲がり角の手前でシュウが立ち止まる。止まった彼の代わりにルカが先に進み、曲がり角の先を魔法を使い確認する。


「先に骸骨が2体いる」


「俺がやる」


 ルカが曲がり角の先に骸骨の魔物が2体いることを報告すると、シュウが一気に突っ込み戦闘を開始する。奇襲を仕掛け、1体をまず倒す。残った1体が剣で斬りかかるが、剣を後ろに跳んで躱す。魔物が追撃をしてくるが、剣を収め、魔札を使い拳に岩を両手に纏ったシュウは、魔物の剣を片手で弾き、もう片方の手で魔物の胴体を殴り飛ばす。まずか10秒もかからない瞬殺であった。


「ルカちゃんの魔法って、屋内だと便利ですね」


「逆に私にはこれしかできないんだけどね」


 アイリスに褒められるも、微妙な表情をするルカ。彼女が唯一使える光魔法は、壁などが薄くない場合に限り、その向こう側を大まかに確認できるというものである。戦闘向きではない為、滅多に使わないが、このように屋内を進む場合はかなり便利な魔法だ。


 魔物を倒したシュウが先に進み、トビアス達もその後ろをついて行った。



 * * * * *



「あれは……サイクロプスか?」


「お、大きいわね」


 シュルルク古城の奥まで辿り着いたトビアス達は、柱の陰に隠れている。隠れている原因は、広い廊下の大きな扉の前に目を閉じて鎮座している巨大の一つ目の魔物である。その魔物、サイクロプスはBランク認定される程であり、今ここで戦えば、魔族達と遭遇する前に力を使い果たしてもおかしくない。そのため、どうにかして戦闘を避けて通れないかと、柱の陰から隙を探ってるのだった。


「どうしますか?」


「僕達4人なら、勝てるはずだ。それでもここでの消耗はなるべく避けたい」


「シュウ、さっきみたいな魔法はもうないの?」


「……ない」


 シュウの大規模の魔法に期待をしたかった所ではあるが、彼にとっても先程の魔札はとっておきだったようだ。そうなると、どうにかして奴を倒さなければいけない。


「僕が、あいつから隙を作る。その間に、皆は先に進んでくれ」


「だ、だめですよ!独りだと危険すぎます!」


 一人残ろうとするトビアスにアイリスが小声だが勢いよく講義をする。それでも、このまま柱の陰に隠れていても、どうしようもないというのは明白であり、何とかして先に進まなければいけない。


「大丈夫だよ、僕にだってシュウのさっきの魔法みたいに切り札はある。それを使えば時間を稼ぐことは十分できる」


「で、でも」


「心配しないで。僕はそう簡単にはやられはしない」


 心配そうに見つめるアイリスの頭を撫でるトビアス。それを見てルカはこの2人の関係が進展したのだという事をここで理解した。そうなると彼女からするれば、この2人を離れ離れにするわけにはいかないわけで、


「いや、トビ。あんたは皆と先に進みな。それでシュウと一緒に魔族を倒すのよ」


「駄目だ、ルカ、危険すぎる。独りでサイクロプスを相手にするなんて」


「トビがそれ言うの?今トビがやろうとしてた事でしょ?」


「そ、そうだけど」


 やはりここで誰かが残らなくてはいけないのかと、全員が黙り込む。魔族と戦うのは危険だが、あの魔物と独りで戦うのも同じくらい危険だ。何か別の案を彼らが考えていると。ここに来るまでに通ってきた通路から大きな声と爆発音が聞こえる。


「なに、この音?」


「あ、見てください」


 アイリスが言った方を見ると、サイクロプスが目を開け立ち上がり、隠れるトビアス達を通り過ぎ、廊下を抜けていった。どうやらサイクロプスは入口の方に向かっていったようだ。


「どういう事ですか?」


「……」


「あっ!シュウ、待ちなさいよ!」


 サイクロプスがいなくなった廊下を柱から出たシュウが進む。その後をトビアス達もついて行くが、なぜこのタイミングでサイクロプスが出て行ったのかをトビアスが考える。彼は入口の方から響く音に耳を傾ける


「この音……それに声?」


 耳を澄ましたトビアスが聞いたのは爆発音だけではなく、声だった。人の声である彼らの雄たけびが聞こえ、何かと何かがぶつかるような金属音も聞こえる。これは、


「そうか、ヴァイグルからの増援の兵士か」


 事前に聞かされていた、ヴァイグルからの増援の兵士、彼らが遂にこのシュルルク古城に到着し、魔物達と戦闘を開始した。その城内の音を聞き、サイクロプスは増援に入り口に向かったわけだ。


「何にせよ、今がチャンスね!行くわよ、シュウ!ここで魔族を倒して英雄エルクに肩を並べに行くわよ!」


「……ああ」


 扉へと向かうシュウにルカが叫ぶ。英雄エルクも魔族との闘いを制して、英雄となった。その物語が好きなルカからすれば、魔族と戦うことは恐れる物ではない。


「アイリス、僕達も行こう」


「はい!トビと一緒なら、絶対に負けません!」


 アイリスとトビアスも彼らに続き扉に向かう。彼らは物語などは知らないが、仲間であるルカとシュウが戦うのなら、共に覚悟を決めて一緒に戦う。それこそが彼らの描くパーティーである。


「……」


 シュウは暫く扉の前に佇んだが、ゆっくりと扉を開ける。扉の先にあったのは大きな広間だった。かつてこの古城が、城だった時、ここには王がいたはずだと確信させるような大きな広間。


その広間で彼らを迎えたのは、古城のかつての玉座に座った1人の魔族と、その横に立つフードを被った護衛だ。その魔族は部屋に入ってきた4人の冒険者たちを見て微笑む。


「あら、誰が来たかと思ったら、可愛らしいのが来たわね。貴方達、何の用かしら?」


「……質問に答えろ」


「いいわよ、どうぞ」


 前にゆっくりと歩きながらシュウが剣を抜き、剣で魔族をさしながら言う。近づかれているが、魔族は余裕そうに玉座から動かない。


「お前が、ベロニカって魔族か」


「ええ、そうだけど、貴方はそれをどこで知ったの?」


「……死ねぇ!!!」


 シュウが風魔法を使用して一気に魔族に接近。剣で斬りつけるが横にいた護衛が剣で受け止める。


「あら、乱暴ね」


「黙れ!!!」


 そのままシュウは魔族を殺そうと剣を振るうが、横にいる護衛が間に入り、剣を全て受け止める。あの護衛もかなりの腕だ。シュウの剣を完璧に受け切っている。


「邪魔をするな!」


 そのまま護衛に向かって魔法でいくつもの氷を放つが、護衛は炎魔法で氷を溶かしてしまう。シュウがこのまま2人を相手にするのは良くないと判断し、今まで動けなかったトビアス達も動き始める。


「アイリス、ルカ、僕達でシュウを援護する!」


「はい!」


「ええ!」


「もう、面倒ね。貴方はあっちを殺しちゃって?」


「……」


 シュウの元へ行こうとするトビアス達の前に、護衛が立ちはだかる。フードで顔を隠しているので分からないが、先程の攻防で、この護衛の実力が高いのはわかった。ただ先に情報を得られたのはトビアス達に取って有利な点だ。


「アイリス、奴は炎魔法を使う。援護頼んだよ」


「はい、まかせてください!」


「魔族と対決とか、英雄エルクっぽくなってきたじゃん!やってやるっての!」


 護衛の後ろでは、シュウと玉座から立ち上がった魔族が戦闘をしている。こうして戦いの火蓋が切られた。

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