神の力を持つ少年は…異世界で鬼の女王と幸せを紡ぐ

古月

プロローグ〜とある少年の死〜

第o話 とある世界線での死亡

………皆さんはご存知ですか?

日本昔話…桃太郎というお話を。

これは昔話桃太郎が……

"もしも" 犬も、雉も、猿の仲間がいても、

自分一人で全力で戦い、

"もしも" "鬼を守って死に…"

ほんとうに…… "偶然"

"異世界へ転生"したらと考えたお話………


⚠この作品はカクヨム内の文字のサイズを中にするとちょうどよく見れる作品です

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「ぐぁッ………ガハッハー……ハー……まだ…まだやってやる……」


血で染まった桃色の服を着た、

血まみれの大太刀に寄りかかっている少年が言う。


……彼の名は無い。あえて言うならば、

桃から産まれた赤ん坊なので周りから ⁠

[桃] と呼ばれている。


彼は目の前にいる、世界を支配していた者、

悪鬼の女王 罪縁と世界を取り戻す為に戦っていた


「ナァ、もうヤメにしないか?小童、お前では無理だ。三日三晩やってるが…

何度も何度も私に負けるだけ。今まで通り私が世界を統治する…

その方が人間も案外平和だし良いだろうて、」


「お前…ナめてるのか?お前の…お前等鬼牙族オーガのせいで…!人間は貧困で苦しみ、悲しみが心の奥底で焔となり、積も燃え盛っていることを……」


桃の悲しみの叫びにより、罪縁は理解していない顔をする


「なんのことだ……?私はしっかりと鬼の世界と人間の世界、

どちらとも正当に統治している筈…優秀な鬼の仲間に金も管理させ、…!まさかッ」


そう言うと罪縁と桃の間にひょろりとした陰湿そうな鬼が忽然と現れる

彼の名は愚滅 女王直属の四天将の陸を名乗る鬼。


「アハッ………バレてしまいましたかぁ………バレてしまったならば仕方がない…

私は元々納得などしていなかったのですよ…!貴女のような女が!

私よりも優秀で…王の資格を持っていることを!だから人間の矛先が貴女に

いくようにし…神の力を手に入れている人間が貴女を殺すように

仕向けたのですが……仕方がありません… そう!仕方がないのです!

この神の光を数千年集め続けたこの小太刀で殺して差し上げましょう!

死ねぇッ!愚かな女王、罪縁よッアハハハッ」


そう言うとものすごく速い速度で罪縁に小太刀を持ちながら近付いていく


そして……


グサッ………


「やりましたッ!これで私が王…だ?」


愚滅が刺した相手は……


「小童!」


鬼と、鬼の女王を恨んでいる筈の桃だった。


「今の話聞いて……愚かにも思ってしまったよ…ㇵㇵ……鬼の王はなにも、、

なにも悪くないのならば…守らなくてはって…そう思ったせいで…

ついつい体が動いてしまったじゃないか…」


数千年も貯められた神の光によって

あまり致命傷を負わない神の力を持つ人間の、、

腹に穴が空き、血を口から垂れ流しながら言う


「なっ苦労して貯めた光が……あァッお許しくださいッ!

今のはそこの人間を殺す為の前振りだったのです!本当ですッ!

お許しを……」


涙目になりながら命乞いをする……が、そんなの通じる筈もない。

罪縁は大剣を地面から抜き、近寄って愚滅の首へと向け……


「名前の通り、愚かな鬼だ…散れッ!」


そう言うと同時に桜が舞い、


「おやめくださッッ……」


一瞬で首を切断され…


「ァ…」


体が消滅する…


「ハー……ハー…とんでもない勘違いを……していたんだなぁ…人間は………

せめて生きて…婆ちゃんと爺ちゃんに伝えたかったなぁ………

あんまり…鬼は悪くなかったよって……でも…流石に無理かぁ…この俺でも…

致命傷を負う…程だか…ら…もう…少し…爺…ちゃんと……婆ちゃ…んと…

過ごし…たかっ……たなぁ…」


そう言いながら、桃の目から涙が溢れ…

脈が静かになっていき……


「待て!小童…行くでない…!まだ…間に合う筈だ!だから…逝くな…

空へ…逝くでない!三日三晩戦い…私が!この私が!始めて認めた男なのだぞ!

誇れ!誇って…まだ…生きてくれ…」


治療を掛けているが……全く効かず…罪縁も不思議と泣き始め…

この少年と戦い続け、最後に守ってもらったことで……惚れてしまった

と自覚しながら…治療も効かぬこの少年を…見るしかできないと…嘆くしかなかった


「泣くな…よ…お前の勝ち……だろう…?女…王…憐れ…むな……

俺が選ん…だ道だ……あ、あゝ、、も…うおわか…れみたいだぜ…?

なぁ、、最期に真名を……教えてく…れよ…」


罪縁に手を伸ばし…髪を撫でて問う…


「鈴と書いて…リンと読む……」


「リン……かぁ……俺は…桃と書いて…桃、ありがとな…リン…」


そう言うと、髪を撫でていた手が落ちて…

目が閉じる…


「逝くな…逝くでないぞ…桃…」


罪縁が呟くと同時に……

少年の体は光の塵となって、

荒れていて、更地だった鬼の世界に…

沢山の花、木々、水を………自然を生み出した…





こうして…神の力を持った英雄の証を持つ

少年は…散った



そして………


































[対象の死、魂の離脱を確認しました。

これより【異世界転生】のプロセスを開始します]



世界と世界がくっついている…


歪な歯車……輪廻が動く。




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