第43話 何がどうなってそうなった?

 うちの父の上の前歯は、確か2本とも差し歯。

 ある時、夕食時に父が


「あっ!」


 と声を上げた。

 曰く、


「前歯が欠けた」


 とのこと。

 何か固いものでもかじったのかと思い、


「何かじったの?」


 と聞けば、


「いや、『いくら』を前歯でプチッとしただけ」


 とのこと。


 いやいや。

『いくら』で前歯欠けるのっ!?


 その後もちろん歯医者に行って、無事前歯は治ったのだが。

 数日後、またも夕食時に


「あっ!」


 と、父が声を上げた。

 食べていたのは、『いくら』。


「差し歯、取れた」


 なにがどうなったら『いくら』で差し歯が欠けたり取れたりするのかなぁ?

 そんなに弾力がある『いくら』でも無かったけど……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る