第24話 危険な居眠り

 上司が話していた話。

 その上司はお酒が好きで、一度飲み始めると記憶を無くして酔いつぶれてしまうまで飲んでしまうとのこと。

 自分ではその境界が分からず、お酒の失敗談は数知れずということだ。

 酔って電信柱に勢いよく抱き付き、前歯が2本欠けたと言って、欠けた前歯を見せてくれたこともあるし、下りの階段で足を踏み外して、見も知らない女性の上にダイブして、しこたま怒られたという話もしていた。


 その中でも、一番笑えない話を(あれ?笑えるかもしれない話、じゃなかったっけ、これ?)。


 翌日、家を購入するために頭金を払う予定で、上司は胸ポケットに300万円を現金で持っていた。

 だが、やめればいいのに、同僚に誘われてつい飲みに行ってしまったのだ。

 気づけば、最寄り駅ひとつ手前の駅のベンチで居眠りをしていた。終電はとうに無い。駅員に、駅が閉まると起こされたのだ。


 ハッと気づいてまず、上司は胸元に手をやった。


 良かった、あった……。


 上司はそのまま、駅近くのネットカフェに止まり、早朝に帰宅したという。


 スリのみなさん、惜しかったですねぇ。

 みすみす大きな獲物を逃しましたよ?(笑)


 ※もちろん、決してスリ等の犯罪を推奨するものではございません。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る