酒井雄介(Ω)
雄介は鼻歌を歌いながら帰宅し、自慰に使用したティッシュやエロ本、食べかけの市販弁当、脱ぎっぱなしで一度も洗った事の無い衣類や汚物の付着した下着類等の上に腰を据えた。
座った衝撃で何か鼠のような生き物がガサガサと音をたてて飛び出し、またどこかへ隠れに行ったが雄介は意に介さない。
都合良くαと鉢合わせ、ヒートを解消し雄介はご満悦だ。そして新たな食糧、肉も手に入る事となる。
雄介はでっぷりとたるんだ自らの腹をさする。ヒートの時にαと避妊無しで性行為をすると、ほぼ100%の確率で妊娠する。
貧困層である多くのΩは産まれた子供を人身売買・臓器密輸業者に売るわけで、雄介も当初はそうしていた。しかしある時、産まれた乳児を捌いて食べると病みつきになり以後ずっとそうしている。
乳児の肉は柔らかく、排泄物等も少なく済むため処理が簡単でおまけに美味だった。
今日相手になったαから掠めてきた財布を取り出し、中身を物色するとクレジットカードや運転免許、マイナンバーカードなんかが出てきた。カードや電子マネー中心なのか、現金はさほど持っていないのが残念だ。
まあいい、マイナンバーカードや運転免許等のα名義は高く売れる。
雄介は今の生活に満足している。そのため、一応玉の輿を狙うていでいるが現状で構わないというのが実際のところだ。
Ωのフェロモンがあればいつでもαを性欲処理に使える。その上、上質な肉まで手に入り私財もかすめ取る事ができるのだ。
労せずして欲しいものが何でも手に入り、思い通りである。雄介はΩに産まれて良かったとしか思った事が無い。
食欲も性欲も満たされた雄介は眠くなり、次は睡眠欲を満たすべく横になった。
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