第4話 スキル

朝起きると体中が筋肉痛だった。


今まで運動らしい運動をせずにたくさん移動したからだろうか?体ごと変わっているので関係無いと思うが、この世界ではLvがあるので早くLvを上げて強くなりたい。


昔からゲームのLv上げは好きだった。ただ上げるだけじゃなく一番効率がいい方法で短期間で強くなるのがいい。ダメージの増加を見るたびに更にLv上げをしたくなった。


ここではどんな方法が一番効率が良いのか探すのも楽しみの一つだけど、今は食料が優先だ。昨日から何も食べていない。


水は井戸を好きに利用していいと言われており、水分補給はしっかりできているが、何も食べていないので辛い。


家にあった革の鎧を装備して、剣を背中に背負って村長に挨拶に行く。


『村長おはようございます』


「おはようございます。似合ってますね」


『家にありましたのでお借りしてます』


「持ち主もいないことですし遠慮せず使ってください。どこに行かれるのですか?」


『少し探索して何か食べれるものを採ってこようと思います』


「北は魔物が多く危険ですので南をお探しください。南も魔物が出ますので村の近場で探してください。もし、魔物に遭遇したら無理せず逃げてください。無事でいることが何より大切です」


『今は魔物と戦って勝てる見込みがないので逃げます』


村長のアドバイス通りに南へ何か食べれるものを探しながら歩き、同時にアイテムボックスに慣れるために何度も土を収納と展開する。


当初から大容量だったのか慣れると大量の土を収納できた。


少し歩くとリンゴの木を見つけたが、周りにゴブリンがいる。


ゴブリンに見つからないように木陰に隠れたまま、リンゴを見て収納を試してみると収納できた。


普通に梯子を使って手でリンゴを収穫すればゴブリンに見つかるので討伐しないと収穫ができない。他の誰かならリンゴの収穫はできないだろう。


アイテムボックスは見えればいいので、丁度良いサイズのリンゴを100個ほど収納した。


これ以上はゴブリンが多く、隠れて進むにも限界があった。魔物との戦闘を避けるなら村に近い範囲でしか収穫できず、すぐに採り尽くしてしまうだろう。


早く魔物を討伐する手段が見つけなければ、この世界で生きていくのは難しそうだ。


今日のところはリンゴで十分だろう。昨日からのお礼も含めて村長に渡そう。


『ただいま戻りました』


「おかえりなさい。無事で何よりです」


『リンゴを見つけたので採ってきました』


「あそこはゴブリンが居るのによく採れましたね」


『スキルのお蔭です』


「素晴らしいスキルですね」


『お世話になってますのでリンゴ受け取ってください』


「ありがとうございます。村の皆で分けます。アーロン」


「なに?」


奥から10歳ぐらいの元気な男の子が出てきた。髪と目の色が赤くスラッとしてカッコいい。


「頂いたので村の皆に渡して来てください」


「わかった」


元気に返事をしてリンゴを持って行った。


今日はこれで乗り切れても1日リンゴ1個で十分な訳が無い。


それに村長にリンゴを渡すことで可愛いあの子と話をするきっかけを無くしてしまった。名前ぐらい聞きたいが、いきなり聞いたら当然理由は?となるだろう。


ゲームなら少し村を救ったら話しかけてくれるが、そんな上手く行かないのでもう少し頑張らないといけない。


魔物を討伐しなければ森から食料を収穫するのに限界があるので対策を考える必要がある。


自分のステータスが攻撃より魔力寄りなので、魔法で魔物を討伐するのが良さそうだけど聞いてからだ


『魔力について教えてください』


「ステータスの魔力は魔法の結果に影響します。同じ魔法でも魔力が高い方が威力や効果が高くなります」


『魔法は何がありますか?』


「魔法は火、水、地、風、光、闇の六属性があります」


『誰でも使えますか?』


「スキルで各属性魔法を習得すれば使えます。生れた時から習得している場合とLv上昇で習得する場合があり、2個から3個の複数属性を持っていることが多く、4個以上は稀です」


『スキル習得済みの属性の魔法は全て使えますか?』


「スキルのLvで利用できる魔法が決まります。また、魔法発動にMPが必要なので、Lvが低くMPが少なければ魔法を使えません」


『普段の生活で魔法は利用しますか?』


「回復魔法は利用しますが、それ以外は村や町で使うと事故になるので禁止です」


『回復魔法はどの属性ですか?』


「光属性です。上位回復魔法は欠損を治せます」


『私はどの属性も習得していませんので魔法は使えないですね』


「Lvアップ時の習得に期待ですね」


『Lvを上げはどうするのですか?』


「魔物を討伐するのが一番効率が良いとされていますが、訓練や魔法利用などの経験を積めば上がります」


『この村で訓練を受けることはできますか?』


「教える者がおらず受けれません。町では冒険者講習などで訓練を受けられます」


魔物の討伐に魔法が必要なのに、魔物を討伐しないとLvが上がらず魔法習得できない。


ふと昔やっていたゲームで、強い武器を作るためにパーティ参加しようとしたら強い武器が参加条件だったのを思い出す。それを作るためにパーティ参加したいんだけど?と激しく思ったものだが、ここで同じことを経験することになるとは……。


何とかこの状況を抜け出す為にも魔法以外のスキルを教えてもらおう。


『他のスキルも教えてください?』


「魔法以外のスキル習得は、関連する行動で習得できる場合があります。例えば剣を使えば剣術スキル、調理すれば調理スキルを習得します。同じことをしても習得の早い、遅い、できないなど個人差があります」


『自分にあった魔物を討伐する手段を考え、スキルを習得したいと思います』


村長に感謝を伝えて宿泊している家に戻る。


ステータスで魔力が高いだけでは魔法が使えないようだ。


そして、何も知らない素人が剣を振り回しても剣術スキルをすぐに習得できるとは思えない。


自分にあった単純なスキルを習得して、魔物の討伐を目指すべきだろう。

昔からゲームでは遠距離攻撃を使って来た。動体視力や反射神経が悪く近距離で素早い動きに対応できないので敵から距離を取るプレイスタイルになった。


そのかわり遠距離から攻撃しながら全体把握してタイミング調整やパーティメンバーに指示を出すことが多かった。


自分にあっているとしたら弓スキルだと思う。だが、弓を現実で使うとなると難易度は高く、すぐにスキル習得は難しいだろう。


より簡単で遠距離と言えばあれだな!


ちなみに女性とたくさんしゃべれば口説きスキルを習得できるのかな?


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スキルの基本的なルールはこれで行きます。

皆さんならどんなスキルを習得して魔物と戦いますか?


少しでも面白そうと思ってもらえたら応援と★お願いします。

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