第3話 奇跡の再会?/ Ein wundersames Wiedersehen?

私の通っている学校はインターである。

なのでいわゆるドイツの地元の学校ではなく、英語をメインとした授業で進められていく。(一応ドイツ語も科目としてあるので喋れます)今までの人生の中で私の通った学校はここだけなのであまりコメント出来る身では無いのだが、かなり良い学校だと思う。ただし、インターだからこそ経験するのが生徒の出入りの激しさ。毎年、最低一人は友達が去って行っている気がする。今回は生徒の出入りについて書いていきたい。


私がオランダで生まれたのだが、一年程でドイツに引っ越した。そこからずーっとインターに通っている訳なのでかなりの古参なのである。インターにも幼稚園らしきものは3年間付いているが、私はその3年間もインターだった。

もうその頃の記憶はかなり薄れているのだが、一つ鮮明に覚えていた事がある。

確か昼休みになり、敷地内で走りながら遊んでいた私は転んでしまい少し泣きじゃくっていた時だった。他の子達もおどおどしていた時インド人のS君が「大丈夫?」と助けてくれたのだ。しかしS君と遊び始めた頃、S君はインドへ戻っていった。私が少し名残惜しく感じていたのは本当だ。


まあそんな事を思い出していた時私のクラスに転校生が現れた。その新入生はインド人でH君と言う名前だった。その子は結構面白い子だったので話し合う事も多くなった時僕はH君がドイツ人のF君とかなり仲良くしている所を見かけた。

「お前ら知り合いか?」

と冗談で言ったのですが

「ああ、そうだよ!」

と返事をされて少しこんがらがってしまった。そこでF君にH君が実は幼稚園の頃インターにいて彼と友達だったと答えた。そこでその頃の集合写真を見てみると私とH君が確かに載っていた。

「ただ名前はS君だと思っていたのに。」

「S君は俺のミドルネームだよ。」

そこで全ての合点がいった。俺とH君は無言で握手をした。



人生、一期一会というが案外昔の知り合いとあなたは会っているのかもしれない。H君とは普通に友達となった。

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