第12話

「そろそろだよ」

私はハッと目を覚ました。

私達は昨日の夜から馬車で、街に向かって移動していたんだ。

周りはまだ暗い。

なるべく目立たないように夜に移動した。

「さっそくだけど私達の家に行こっか」

ミナが言った。

「家を持っているのか?」

私は驚いた。

てっきりミナ達も兵士達に追いかけられている

と思ったが、そうではないらしい。

「ここだよ」

そこは、古びた三階建ての建物の一角にあった。

部屋は狭いながらも、生活感が溢れる、

いい場所だった。

ミアナが新聞を持ち上げる。

「やっぱり私達の事は話題になってるんだ」

「そうだよ」

「ミアナ達のことだと、思いたくなかった」

ミナは悲しそうに言った。

「そういや、新しい新聞が来てるかも」

そう言って玄関に取りに行った。

私達は、古びたソファーに腰を掛けた。

少し羨ましいと思ってしまった。

質素ながらも生活ができていることが。

少し寝よう。

そう思った時だった。

「ねえ!」

ミナが血相を変えて戻ってきた。

「これ見て」

そこには、おそらく教会の残骸と思われる

物が写っていた。

「これは?」

「多分あの3人がやったやつだと思う」

「ここの近くに3人はいるはず」

本当に復讐しようとしているのか、

これで確信が持てた。

ミテナ、ヒテナ、クナの3人は本気だ。


「さっそく行こう」


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