第7話

ミアナは化け物になった。

足下に巨大な炎の魔法陣を作りながら、

兵士達を蹂躙していった。

ある者は、燃え尽き、灰だけとなり、

またある者は、

燃えながら家族の名前を叫ぶ。

もはや、そこは地獄だった。

1人の兵士が、ミアナに切り掛かる。

おそらく、その兵士は、かなり腕の立つ者だろう。

身体つきが、他の者と違う。

だが、そんな身体も魔法の前では無力だ。

剣を持つ腕を焼き払い、

その剣を奪い取る。

「やめてくれッ」

そんな言葉に躊躇するはずもなく、

炎を纏わせた剣で切り付ける。

その姿はウサギを狩るオオカミのようだった。

ただ殺すだけの、獲物としか見てないような。


そんな地獄に1人の男が近づいてきた。

「おもしろいな」

その場が静まり返った。

「アスペロ元帥!」

1人の兵士が叫ぶ。

すると他の兵士達も叫び出した。

やばい。

感覚だけで分かる。

あいつは強い。

「ミアナ、あいつとは戦ったらダメだ」

大声で叫んだ。

しかしミアナにはまったく聞こえてない。

そしてアスペロはミアナの前に立った。

「まるで憎悪で動いているようだな」

アスペロは感心したようにいった。

「さあ、やろうか」

それが戦いの合図だった。




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