【意味怖】意味がわかると怖い話【灰色猫】【解る】

灰色猫

【新宿歌舞伎町】トー横の怖い話

クロ、いつまでも俺の事を忘れないでくれよ。


俺もお前の事は絶対忘れない。


雄介は手を合わせると、八王子にある山から下り、駅で待つ彼女の元へ


向かった。




ゆーくん、遅いよー。何してたの??


大人びてみえる彼女は透き通るような白い肌、どこか寂し気な表情と


それを隠すように明るくふるまう姿はとても儚げで美しかった。




ちょっとな、飼ってたペットのクロが死んじゃってさ。




そ・・・そっか。大丈夫?


あのっ・・・その・・・


今日おうち行こうか・・・?




・・・良いのか?


気を使わせて悪いな・・・。じゃあ、俺が料理を作ってやるよ。




本当!やった!ゆーくんの手料理本当に美味しいもん。楽しみ!








※※※※※※










その夜、雄介の手料理を食べる彼女はご満悦だった。




ゆーくんの料理、本当に美味しい。特にコロッケ!




だろ?子供の頃アニメのオープニングテーマを聞きながら覚えたんだよ。


いざ進めやキッチン!ってな。




何それ、知らない~!




クロもさ・・・好きだったんだ、俺のコロッケ・・・。


親とはぐれたのか、トー横で拾ったときもお腹空かせててさ。


俺の事みてめちゃくちゃ警戒してたんだけど、手作りのコロッケ見せたら


一発でさ。すぐになついて・・・。


ウチで飼う事にしたんだ。




え・・・ゆーくん、コロッケあげてたの・・・?




ん・・・?ああ、大好きだったからさ、めちゃくちゃ良く食べてたんだぜ?


2日に1回はコロッケだったかな。




そ・・・そうなんだ・・・。




ああ、お腹いっぱいになった次の日なんかは、元気になったのか、良く部屋から抜け出そうとばたばたしてたりしたんだけどさ。




あ、あのゆーくん・・・コロッケはね・・・。




話を聞いた後雄介は、涙を流した。




ゆーくん・・・。


彼女は雄介の頭をそっと撫でた。




ごめんな、玉ねぎが目に染みたみたいだ・・・


ううっ・・・








しばらく雄介は涙を流していたが、急に真面目な顔になり


廊下を出てすぐ右の小さな部屋の前に立つと、彼女においでと手を振った。






クロはこの部屋で飼っていたんだ。






だけど、寂しいのはもう嫌だから新しいペットを飼おうと思ってるんだ。


名前ももう決めてある。


透き通るような白い肌だから、名前は「シロ」にしようかなって。

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