第16話れなとの夜

「なに言ってるんだ、お前」


「別にやましい理由なんてないわ。


最近、親帰ってくるの遅いから寂しいのよ」

れなは、照れ臭そうに言った。


「だめだろ。俺たち、一応、男と女だぞ・・・」


「いいじゃない。あおいなら信じられるし」


あおいは、沈黙していた。



「もー。わかったわよ。じゃあ、

映画あるから、それだけでも、一緒にみよ!?」


あおいは、少しだけ悩んだけど、映画だけなら良いと思い、映画を見ることにした。


「映画見たら帰るからな」


「分かってるわよ。じゃあ、なに見る?」


「怖くない奴なら、なんでもいいぜ」


「あおい怖いもの苦手だもんね、じゃあ、恋愛映画にしましょう」


「なんでもいいけど」


こうして2人は映画を見ることになった。


2時間後…


「終わったー。いい映画だったねー」


「まぁな。じゃあ帰るわ」

そう言い、あおいが立ち上がろうとした時…


「待って!もう一つあるの。」

「まだ見るのかよ」

「これで最後だから。いいでしょ!?」

「分かったよ」


1時間後…

あおいは、眠気に襲われて、映画を見てる途中で、寝てしまった。


目を覚ますと、あおいは、ベットの上にいた。


「あれ、俺なんでベットに…」

周りを見渡して、手を動かしていると、隣に、人らしき物体が、毛布にくるまっていた。


まさかなと思い、毛布を剥がすと、

れなの姿があった。


「おい。れな、起きろ!」


あおいは、動揺して、必死に、れなを起こした。


「んー。あおい?!なに?」


「なにじゃないだろ。なんでお前が、一緒に寝てるんだ!?」


「あおい何も覚えてないの?」


「あぁ」


「あおい映画の途中で、寝たんだよ。だから、ここにいる。了解?!」


あおいは、れなに言われ、ようやく思い出した。



「待てよ。じゃあなんでお前は、ここで寝てるんだ?」


「そ、それは…」

れなは、顔を真っ赤にしていた。


「なんでだ!?早く答えろ!」


れなは、黙り込んでいたが諦めて口を開いた。


「あおいが、気持ちよさそうに、

寝てたから、つられて、寝てしまったの」


「一緒に寝ることもないだろ」

………


「しょーがないでしょ」


沈黙が続いたが、あおいが口を開いた


「事故とはいえ、初めて夜を過ごした人がれなになってしまったわー」


「なに?不服?」


「ぐぅ…」

実はすこしうれしかったとは、言えなかったあおいは、帰る準備をした。


「待って、もう6時だから、そのまま朝ご飯食べて行って」


「え」


あおいは、少し悩んだが、ついでだったから、れなの言うこと聞いた。


こうして2人は、朝ご飯を食べ、学校に向かった。

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