ゲェィム・オウバァ

渡貫とゐち

第0話 全てを終えた後の……、

 後悔だった。

 あの時の俺に、やめろと言いたかった。

 それができていれば、こんなことにはならなかったはずだったんだ――。

 言えたのならば、こんな悲劇を起こすことも、味わうこともなかったんだ。

 でも、それは全てを味わった俺だからこそ、言えるんだ。

 あの時の俺は、こんなことになるなんて、微塵も思っていなかった。

 未来が見える、そんな力でもあれば、『これ』を予測できたかもしれない。

 でも、俺にそんな力なんてありはしない。

 そんな都合の良いものなんて存在しない。

 色々なことを経験し、進んで、進んで、進んで。

 それで後悔した。これが俺の道なんだ。

 色んなことがあった。

 全てが悲しみじゃない。

 嬉しいことも、楽しいことも、色んなことがあったんだ。

 全てを否定しているわけじゃない。

 ただ、思っていることはある。

 もう一度やり直せたら――、同じ過ちは犯したくないって。

 興味本位でやるべきじゃなかったって。

 おふざけでやるべきじゃなかったって。

 そういう軽い気持ちでやったことが――今、この状況を生んでいるのだから。



 ………

 ……

 …



「私は――、あなたに殺されたい」

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