第2話 永眠

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どれくらい眠っていたのだろうか……


意識が混濁するなか目を覚ました、と言っていいのか?


目を開けても目の前は真っ暗で何も見えないし聞こえない。果てしなく続く闇、それに加えて無音で頭がおかしくなりそうだった。


身体を動かそうにも動かない……

声を出そうにも出せない


っていうか何処なんだここは?


思い出せ…… 俺は…… 何をしてたんだ?


「マザー、 たすけてくれ……」


タスケガ ヒツヨウナノデスネ?

ショウチシマシタ アナタヲ チョウサシマス


調査?


頭の中にマザーの声が響いてきた。


そして、俺の意識は再び途絶えた……




シツモンデス

アナタハ イママデ ヒトヲ キズツケタコトガ アリマスカ


俺は、、。大事な人を。。。これ以上は言いたくない。 でも、その質問の答えはあるだ。




シツモンデス

カンキョウノ ヘンカニハ ツヨイデスカ?


環境の変化?ああ、そういう意味か、慣れてるよ。幼い頃に嫌と言うほど経験した。強いと思う。




シツモンデス

アナタノ タイセツナヒトガ ワルイヤツニ サラワレ イッショウキエルコトノナイ キズヲオイマシタ ハンニンヲ ミツケタラ ドウシマスカ?


殺す。

当たり前だろ? それ以外に何かあるのか?




シツモンデス

アプリノタグイハ ベンリダト オモイマスカ?


そりゃ便利だろう。最新機能を揃えた電話やアプリはチェックしているよ。無くなると困ってしまうな。



シツモンデス

モシ アナタ/タイセツナヒト ガ セカイヂュウノヒトカラ キラワレテイタラ ドウシマスカ?


自分の事だったら別に気にしない。 

逆の立場なら俺みたいな奴は大嫌いだろうよ。

ただし、俺にとって大切な人がその立場なら世界中を敵に回しても守る。



サイゴノ シツモンデス

チガウ ジンセイヲ オクレルトシタラ オクリタイデスカ? オクリタクナイデスカ?


違う人生? あーこんな糞みたいな人生やり直せるならやり直したいよ。 

マザー、もう質問は必要ないだろう? 一体何がしたいんだ? 


アリガトウゴザイマシタ アナタトノ カイワ トテモ タノシカッタデス ソレデハ シバラク オマチクダサイ 


暫く待つ? おい! マザー、いいかげん……に……し……








「ゴレーム様、どうか私の願いを叶えてください」


女の子の声で、目を覚ました。

光が目に差し込む。今度は暗闇ではない。目の前には7,8歳ぐらいの女の子が一人両膝を着き両手を組んで俺を見つめていた。 


この女の子は…… 俺に言ってるのか?

願いを叶えてくれって? 何で俺に言うんだ? いや、そんな事じゃない、此処は何処なんだ? どうしちゃったんだ俺は? 



ガンッ


ガンッ



少しはなれた距離に小さい男の子逹が石を何度も俺に投げてきた。


こらっ、やめろ!


声が出せないし身体も動かせず、されるがままになっていた。


クソッ、ガキ共覚えてろよ!

動けるようになったら逆モヒカンの刑にしてやるからな!


「こらっ 止めなさい! お父様に言いつけるわよ!」

俺に祈っていた女の子が叫んだ。


「やーい また気持ち悪いモノにお願いしてる奴がいるー!」

祈りを捧げる女の子を馬鹿にしながら去っていった。


「気持ち悪く何かないもん!お父様が言ってたもん!災いから守ってくれる良い守護神様だって!」


守護神様? 


思い出した...

俺は警察に囲まれて... 意識を失って……

気付いたらここ居たんだ。

ああ……そうだった……

俺は死んで神様になったのだろうか?


いやいやいや この俺が神様? 冗談だろ?


そもそもここは何処なんだ? あれか? 流行りの異世界ってやつか? 


あー くそっ! やっぱり身体は動かせない…… それに喋れない…… ここから出してくれ!


そうか…… これは罰なんだ。 俺の行いに神が罰を与えたんだ。 うん それしかない。


はぁ…… あんなモノ拾わなければ良かった……

それにしても なんだっけあの人工知能の名前


マザーだっけ?


ハイ ナンデショウカ?


うわっ! 何か聞こえたぞ?

おい 誰か何か言った?


ハイ ナンデショウカ? ト イイマシタ


もしかして…… もしかしてだけどマザーか?


ハイ ソウデス


マジかよ!マザー、何でお前の声が聞こえるんだよ?


俺はおかしくなっちまったのか?

世界最高のAIと言われるお前なら分かるだろ?

とにかく教えてくれ!


。。。。


マザー、ここは何処なんだ? あれだろう? 俺は異世界へ転生されたんだろう? 

はいそうですって言われても納得はしないけどそれしか考えられないぞ! 


アナタノ ジョウキョウヲ オコタエシマス 


マザー! いいから 早く教えてくれ!


アナタハ セキゾウニ ナッテイマス 


へ? 石……像?


俺はマザーが何を言っているのか分からなかった。


ソシテ ココハ イセカイ デハ アリマセン アナタノ スンデイル セカイデス   


ほらな、異世界じゃないか…… え? 

は? ちょっと待って!

何言ってるんだよ!


俺の住んでいる世界だって?


えっ? えっ? えっ? えーーーーーーーーーー!!!

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