第7話

相馬が言う。

「物凄くはずかしいけれど、順番に告白していくのはどう?」

料理谷が言う。

「……いまさら相手こと、どこで好きになったとか、そうとこかよ」

薊、兄が言う。

「どうしよう、気持ちは伝えなきゃなんだけど、マジな気持ちは、マジではじめてです」

薊、弟が言う。

「言葉にしてどうする。一斉に手を出して、手を取ってもらうんじゃ駄目なのか」

4人が、あ、となる。

「サクラちゃんはどう?それで」

「無理です。無理です無理です。待ってください。今どうなってます?」

「告白タイム」

「やろう」

「それで決まるなら」

「本気か」

4人、それぞれに決意する。

相馬から

「夢の中で世話してる馬のことも愛のことも夢もよくわからないけれど、僕自身を見てくれたみたいで嬉しかった。以上」

料理谷から

「うちじゃめったにマトモな物なんて出ないけどアンタとならマトモなんて関係ない。にんじんがなかろうがじゃがいもしかなかろうが、とにかく、いっしょにいられる関係がいい。以上」

薊、兄

「チャラチャラしてるとかそういうんじゃないのは分かってくれてると思うけど、女の子とは何人か付き合ってきた。なんでだろう。ごめん、て思う。ただ、他の子と分けへだてないけど、特別なひとりとしてサクラちゃんと接すると思う。よろしく。以上」

薊、弟。

「ずっと3人の告白を聞いてて考えてた。なんて言うのが1番効果があるんだ、って。こういう場面でこういうこと考えたくない。誰もちゃんと言ってないことを言う。気になってます。多分。好きです。夢の中でだけでも選んでください」

以上。

一方桜は。

恋も愛も体験させるって、アナウンスされて夢の異世界に来たけど、タイプの違う4人から同時に好意を抱かれるなんて聞いてないよ!

相馬君のたどたどしくも優しいところがいい。

料理谷君の刺々しくてぶっきらぼうで、でもなんだか家庭に憧れてる所がいい。

薊兄弟のお兄さんの明るい性格と、真面目な思いのギャップもいい。

薊兄弟の、弟さんの1番冷静に振る舞っちゃうのになんとか言わなきゃいけないことは言葉にしてくれるところもいい。

全員いいところがある!


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