吉川君は異世界からの諜報員(エージェント)―― 異世界無双の諜報員が日本の美少女と、魔物たちの野望を砕きます――

青猫兄弟

異世界からの諜報員(エージェント)

プロローグ

 俺の目の前に、色白な美少女が立っている。薄暗い照明の下、彼女は半歩踏み出し両手で俺の頭に手を触れる。


 少女の顔がすぐ目の前に迫ったと思うと、彼女は俺のくちびるふさぎ、長い舌を押し込んでくる。彼女の手が俺の髪の毛や肩を優しくでる。


 力強く、優しく。激しく求めてくる。


 何度舌を絡められた後か、少女の身体から力が失われ、俺の身体から滑り落ちる。



「ヤバイ。時間ギリギリだ。俺、欲求不満なのか。これから潜入調査だというのに」


 俺、吉川希きっかわまれは異世界から来たエージェントだ。今日から日本の高校という教育施設に編入する。


 ――こんな体調では、少し不安だ……。



「あわわわわわ。わ、私、欲求不満!? 処女をこじらせてる? いやぁーーーー!」

 七澤楓花ななさわふうかは、顔が真っ赤になっていることに気づき、長い前髪をさらに下ろして目線を隠す。

「もしかして、正夢なんてことは……ヌヘヘ……ケフッケフッ、笑い声に注意しなきゃ! 素だとキモい!」

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