秀逸なコピーライター

 自主企画ではレビューをありがとうございます。

 のっけから「これはマーベルとUSミリタリーと日本のオタク文化が盛大に萌え散らかして戦う、もっともアツい現代の聖杯戦争だ!」と確信しました。
 このあらすじ、10万字越えでありながらガツンと効いたフックで「お、ちょっと読んでみようか」と行動に移させるのはとてもよいライターの証し。

 ただ本文は、これはレビュワーの経験不足ですが、純文、文学、文芸といった作風に慣れすぎ、現代的な執筆様態への免疫がなかったために2話目あたりで脱落(※「未読小説へのレビュー」非該当)。
 肝心のストーリにはほんの端しか触れることもできず、残念な読書体験でした。

 もし自分にどんな文体でも受け入れる懐があれば、いやそれが叶わずとも、もし単純に作者さんとの相性が合えば、云々。

 春樹がどうの江國がどうのといいますが、個性、進取性もさることながら可読性と汎用性との両立も大事なのだな、との一つのハードルを感じました。しかしこれもまた物語る行為への多面性、その切り口であるためレビュワーの糧となりました。

 あらすじだけでいうなら最高ですが、「小説と無関係のレビュー」にあたるので控えさせていただき、今後ご機会があれば続きを拝読したく思います。