第5話 豚暴君
関羽と妻子が張遼の統治する村に滞在してから七日後。
関羽はある覚悟を決めて張遼に相談した。
まず、神の天啓を関平から受けた事を。
すると、張遼は。
「関羽兄上。妻子の事は、それがしが責任を持つ。だから、一刻も早く曹操殿にお仕え下さい」
「頼むぞ張遼」
こうして、安心した関羽は曹操の元に向かい、五年の月日が流れた。
張遼は丁原に仕えていたが、呂布が
やがて、曹操が
その際、関羽の妻は。
「お前が中華一番の極悪人、董卓か! 私は関羽様の妻として命乞いなどせぬ! さっさと殺せ!」
「この董卓を侮辱するとは許せぬ鳥ぞ! 殺してくれる!」
董卓自ら
「残るは関羽の小鳥よ! そなたはこの母鳥と同じ死に方をしたいか? それとも命乞いをするか?」
関平は名を中華中に挙げる機会だと思い命懸けの賭けに出た。
「見た目でしか力を判断出来ぬ豚暴君! もし、俺が中華の統治に役立つならば、重き地位に挙げてみやがれ!」
「何だと!」
関平の首に七星剣を当ててみるが動じなかった。
「くっはっは。この小鳥は、いや関平は中々面白い。儂を豚暴君と侮辱し、命を失う覚悟もある。良かろう。何か良き策があるのか? もし、あれば助命し、儂の重臣として取り立てよう」
「ならば、二年、時を寄越せ! 二年で俺の言うとおりやれば農作物の収穫を三倍にしてやる」
「三倍だと、笑わせるな長安の農作物は何万石だと思っている?」
「約二十万石だ。それを最低六十万石に出来る」
「面白い。ならば、二年は生かしてやる。もし無理なら殺す良いな!」
関平は前世の鄧艾の時に屯田や運河作りをしていた。
その上、中華の三分の二以上、地形の知識がある。
こうして、関平は鄧艾流の屯田策を実行した。
まず、民に無料で食事を与え、三交代で田畑や荒れ地を耕し、成果を挙げている者には報酬を上乗せする。
やがて、二年後(一九一年)には、三倍どころか約六倍の約百二十万石位の農作物が収穫された。
この画期的な治世で関平の名は中華中に広まる。
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