隣の席の中国人美少女がなにか言っているが、普通に何を言ってるのかわからない~機械翻訳によると僕のことが好きらしい~

嬉野K

主人公はヒロインを中国人だと思っていますが、ヒロインは韓国人です。

1 あなたは僕のおっぱいを触ったとされますか?

主人公視点

 僕のクラスに、突然中国人の留学生がやってきた。


 とんでもなくキレイな人だった。ラノベとかアニメとか、そんな非現実の世界でしか見たことがないような人物だった。


 黒髪が美しくて、クールそう。その人の周りだけ空気感が違って見える。そんな人。


 名前は確か、りんさん。


 なんとその人は、僕の隣の席になった。窓際で一番後ろ。本当にラノベみたいな展開だった。


 今日も今日とて、僕は彼女に機械翻訳で話しかける。


「おはようりんさん。宿題終わった?」


 まずスマホのアプリにその音声を入力して、それを機械翻訳とやらで中国語に翻訳してもらう。

 

 この世界も便利になったもので、なんと僕の言葉を機械が中国語に翻訳してくれるらしい。


 これでアホな僕も、美少女中国人留学生と会話できるわけだ。


 さて翻訳された文字をりんさんに見せる。


「……」りんさんはスマホの文字を見て、首を傾げた。「✕✕✕✕✕✕」


 おっと、中国語を話されると理解できない。

 僕はアプリを中国語から日本語に変換されるようにして、彼女に向ける。


「✕✕✕✕✕✕…」


 もう一度彼女が言葉を発して、それが日本語に翻訳されてスマホに表示される。


【ドリンクホルダー】

「なにが?」


 そんな宿題出てたかな……ドリンクホルダーの宿題ってなんだ?


 ふーむ……なんかいまいち会話が成り立たないんだよな……まぁ、機械翻訳ならこんなものか。


 気を取り直して、


「暖かくなってきたね。こういう季節は、どんな服着たら良いか迷うよね」


 また僕はスマホの翻訳された画面を彼女に見せる。そして、帰ってきた言葉を翻訳してもらって、


【私はビキニパンツがオススメされます】

「ちょっと攻め過ぎじゃないかな……」


 いくら暖かくなってきたからと言って、いきなりビキニパンツは着ない。なんで私服でビキニパンツ一丁で過ごさないといけないんだ。


 結構危ないボケをする人なんだな……真顔で。


 とにかく、次の話題。


「そういえば、そろそろ試験だね。りんさんは、試験とかどうするの?」

 

 翻訳してスマホの画面を見せた瞬間、


「✕✕✕✕✕✕」りんさんがツッコんだ、気がする。「✕✕✕✕✕✕?」


 えーっと……


【支配された人生は楽しいですか?】


 ……

 ……

 ……


 ?


 えーっと……試験の点数になんて支配されない、ということだろうか。そんな人生は楽しくない、ということだろうか。


 でも赤点取ったら留年しちゃう……って、その考えこそが点数に支配されているというのか……


「ありがとう……なんだか、重要なことを教わった気がするよ」


 そう言ってスマホの画面を見せると、


「……」


 なぜか彼女は顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。


 うーん……会話とは難しい。

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