第26話「音楽で笑顔を」

ビートとジーグは激しく激闘を繰り広げる。

「ぐっ……流石にグランディオーソに認められただけはあるな……」

「くっ……あんたこそ……流石ナンバー2だっただけの実力はあるぜ……味方なら心強かったよ!!」

2人の戦いは激しさを増す中、彰達はミューズを連れてある場所に来ていた。

「ミューズさんこっちです!」

「ここって……」

彰達が連れて来たのはテレビ局だった。

「何でこんな所に?」

「俺達の作戦はミューズさんの歌声を日本中に流す事です」

彰が説明する。

「え?」

「ここで神の楽譜の力を使って歌って下さい!そうすれば何処に居てもベルアゼスに届くはずです!」

裕二が説明。

「でも勝手に……」

「大丈夫です。知り合いのディレクターに話は通してありますから」

今度は琴音が説明。

「なるほどそういう事か!」

ベルアゼスが現れた。

「来やがったか……」

「ミューズ!今度こそ消えて貰うぞ」

「琴音さん、ミューズさんを頼みますよ!」

「分かった!ミューズさんこっちです!」

「え?」

琴音がミューズを連れてテレビ局の中へ。

「させるかよ!!」

ベルアゼスがミューズを攻撃。

だが、彰と裕二が咄嗟に変身し盾になる。

「ぐあっ!?」

「うわっ!?」

「チッ……どうしても貴様らから死にたいらしいな……」

「お前何かに……負けるか!!」

ボイスとブリッランテがベルアゼスに戦いを挑む。


その頃、ビートは『ロックスターフォーム』にチェンジ。

「ジーグ!これで終わりだー!!」

ビートは必殺技『クライマックスブレイク』を発動。

ジーグも必殺技『ダークライトニングストライク』を発動。

2人の必殺技が激しく激突する。

「ぐっ……流石に最強の技だけあるな……」

お互いの必殺技が大爆発を起こし二人は吹き飛ばされる。

「うわっ!?」

「ぐはっ!?」

そこへ飛行機が羽田空港に向けて飛んできた。

「来たか……」

ジーグは再び必殺技『ダークライトニングストライク』を発動。

飛行機を狙う。

「くっ……させるかー!!」

ビートがジーグの前に飛び出し飛行機の盾になる。

「ぐわぁぁぁぁぁっ!?」

ジーグの必殺技の直撃を喰らいビートは大ダメージを受ける。

「ぐっ……何故だ……何故そこまでして……」

「仲間だからに……決まってるだろ?」

「仲間?バカな……会った事も無い奴らだろ?」

「確かに……会った事なんてない……知らない人達だ……でも……音楽をやってる奴は皆仲間だ……音楽って……皆で作り上げて行くもんだろ!!」

「くっ……」

「だから俺は……音楽も……仲間も……奪おうとするお前達を絶対に許さない!!」

ビートはジーグに飛び掛かる。

「ぐっ!?」

「これでも……喰らえ!!」

ビートの強烈なパンチがジーグを殴り飛ばす。

「ぐあっ!?」

「ハァ……ハァ……本当は……この手を戦う為なんかに使いたくないんだ……この手は……音楽を奏でる為で……人々を幸せにする為にある物だから……でも……お前達が音楽を奪うなら……俺はそれを絶対に許さない……」

「音楽をやる奴は皆仲間か……」

「ん?」

「そういえば……俺もそんな風に思ってた時期があったっけな……」

「ジーグ……」

「ビート……俺の負けだ……トドメを刺せ」

ジーグは自分の負けを認めた。

だが、ビートは首を横に振った。

「俺はベルアゼスは許さないから奴を倒すまで戦うけど……人間相手にトドメを刺す気になんてなれないよ……負けを認めるならさっさと帰んな」

そう言ってビートは去って行く。

「フンッ……青いな……」

ジーグは去って行くビートの背中を見ながら呟いた。


その頃、ボイスとブリッランテはベルアゼスの前に大苦戦していた。

「クソッ……やっぱり……勝てない……のか……」

「くっ……諦めてたまるか……諦めてたまるか……諦めてたまるかー!!」

ボイスが再び立ち上がりベルアゼスに挑む。

「身の程知らずめ……」

ベルアゼスはボイスに向かって闇のエネルギーを放つ。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

ボイスは大ダメージを受け変身が解除。

彰はその場で倒れ込む。

「あっ……彰……」

ブリッランテが彰に歩み寄る。

「さて……そろそろミューズを消しに行かないとな……」

ベルアゼスはミューズの元へ向う。

「させるか!!」

ブリッランテは1人でベルアゼスに立ち向かう。


その頃、琴音はミューズを連れてスタジオへ。

ディレクターの佐藤が声を掛けてくる。

「琴音ちゃん、準備出来てるよ。その人が話してた?」

「はい。すみませんが宜しくお願いします」

「オッケー、いつでもいいよ!」

「はい!ミューズさんも準備を」

「え?は、はい」


ブリッランテがベルアゼスの攻撃で弾き飛ばされる。

「ぐあっ……クソッ……」

「諦めろ……」

ベルアゼスはブリッランテと彰にトドメを刺そうと迫る。

だが……。

「待て!!」

「ん?」

声のした方を振り向くとそこには茂が立っていた。

「ビートか……お前も死にに来た様だな」

「違う!お前を倒しに来たんだ!!」

茂は『ビートチェンジャー』を奏で『変身』

「勝利のビートを刻むぜ!!」

ジャンプでブリッランテ達とベルアゼスの間に入る。

「貴様……」

「行くぞ!!」

ビートがベルアゼスに戦いを挑む。


その頃、ミューズはスタジオで歌うスタンバイをしていた。

「ミューズさん、後はお願いします。私も戦って来ます」

琴音はミューズにそう言い残し去って行った。

「皆さん……必ず勝って下さい」


「ではミューズさん、始めますよー!」

「はい!宜しくお願い致します」

ミューズはセット内に用意されたステージに立つと『神の楽譜』を出現させる。

佐藤ディレクターの指示でカメラが回り始め、ミューズの歌声を全国に流す。


琴音は『変身』

フォルテが戦いに参加。

「皆お待たせ!」

「琴音さん、ミューズさんは?」

「バッチリよ!後はベルアゼスを私達の手で倒すだけ」


ビートがベルアゼスの攻撃を受け倒れ込む。

「ぐあっ!?」

「ビート!?よし……待ってろよ!」

彰も再び『変身』

「よーし……最後の戦いだ!」

ビート、ボイス、ブリッランテ、フォルテが並び立つ。


ベルアゼスが構える。

「纏めて滅ぼしてやる」

だがその時、ミューズの歌声が流れて来た。

「ぐあっ!?……な、何だ!?この歌声は!?」

神の楽譜に記された楽譜の通りにミューズが歌う事でベルアゼスにダメージを与えた。

そして……。

「これが……神の楽譜の力……スゲェ……パワーが漲ってくる!!」

ミューズ歌声は戦士達に力を与えた。

「行くぞ!!」

4人は一斉にベルアゼスに攻撃を仕掛ける。

ベルアゼスは攻撃を一気に受け続け大ダメージを受ける。

「ぐあっ!?くっ……こんな……事が!?」

ボイスの必殺技『フルボイスインパクト』

「ぐあぁぁぁっ!?」

ブリッランテの必殺技『ライトニングストライク』

「ぐあぁぁぁぁっ!?」

フォルテの必殺技『音符爆撃波』

「ぐあぁぁぁぁっ!?」

3人の必殺技を連続で受けベルアゼスは大ダメージ。

ビートの必殺技『ロックスターブレイク』で更に大ダメージ。

「ぐぁぁぁぁぁっ!?」

「くっ……おのれ〜……こうなったら!!」

ベルアゼスは自身の全ての闇のエネルギーを集め最大威力の技を放とうとしていた。

ベルアゼスの手元に強大な闇のエネルギーが集まる。

「まずい……こんな闇のエネルギー喰らったらテレビ局ごと壊されちまうぞ!!」

「喰らえー!!」

ベルアゼスの攻撃。

しかし……。

「はっ!!」

ベルアゼスの前にジーグが立ちはだかった。

「ぐあっ!?」

「何っ!?ジーグ!?貴様……」

「ジーグ!?」

「どうゆう事だ?」

このジーグの行動には戦士達も驚いた。

「ベルアゼス……あなたは……力を欲するだけ……音楽が嫌いな訳じゃないんでしょ?」

「何を……何を言っている!?」

「ぐっ……あなたも……俺と同じ……元音楽の戦士……なら……嫌いになれる訳……ないもんな……」

「くっ……どけ!!貴様死ぬ気か!!」

「俺も……音楽を嫌いにまではなれなかった……あなたの中の悪魔が……そうさせてるだけ……なんだろ?」

「ぐぅ……や、やめろー!?」

「この……闇のエネルギー……全部俺が……受け止めてやるよ……ぐぅ……ぐわぁぁぁぁっ!?」

闇のエネルギーを全て受け切ったジーグは倒れた。

「ぐぅ……バカな……そんなバカな!?」

戦士達がジーグに駆け寄る。


「ジーグ!?お前……何で?」

「ハァ……ハァ……ビート……お前との戦いで……目が覚めた……俺は……音楽を嫌いにはなれなかった……だから思ったんだ……罪滅ぼしのつもりで最後に音楽を守ろうって……」

「そんな……ジーグ……死ぬなよ!!まだやり直せるって!!」

「ダメだ……やり直すには……俺は手を汚し過ぎた……お前達の手で……音楽を……守ってくれ……」

そう言い残しジーグは息絶えた。


そして、ベルアゼスも闇のエネルギーを使い果たし力を失っていた。

「ベルアゼス……これで最後だ……もう……終わりにしよう……」

ビートが立ち上がりベルアゼスに近付く。

「くっ……俺の……負けか……」

ビートは『ロックスターフォーム』にチェンジ。

「これで終わりだ!!」

ビートの必殺技『クライマックスブレイク』が発動。

ミューズの神の楽譜の力も合わさりベルアゼスを消滅させる。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」


「勝った……」


続く……。

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