第13話 意思疎通

「キュービー?オロチュ?」


『やっとラポーラと話が出来るようになったみたいだな。不便だったぜ。』


『そうですね。でも、話出来てなくてもラポーラさんは我々の気持ちを理解してくれてましたよ。問題はなかったですよ。』


 少しヤンチャな話し方はキュービーで、品のある話し方はオロチュだ。



「話出来たね。嬉しいな。」



 キュービーもオロチュも嬉しそうだ。改めてガンの方に目線を向ける。



『ガン久しぶりだな。親父の世話はいいのかよ。こんな森に来て。そりゃお前みたいな鳥はこの森くらいしか生きていけないよな。でも久しぶりなのに、ラポーラの獲物を奪うのはないわ。』



『キュービーさんの知り合いの方だったのですね。こんな森発言はやめてもらえますか。申し遅れましたね。ワタクシはオロチュですよ。このソーシャラ森の守り神をしていますの。』



 ラポーラが話す前に話始めたけど、何か色々すごい情報が聞こえたな。知り合いだったり守り神だったり、何か私は場違いではないかな。



『キュービーさまお久しぶりです。獲物申し訳ありません。キューピッ様にはもう用はないと世話役は解任されました。実は、獲物の件も合わせて話は長くなりますが…』



話そうとした所で…



『お前の話は本当長いから話さなくていい。ま、親父の事だお前が不要で解任したのではないだろう。何か意図があっだのだろう。獲物の事はラポーラに言え。』



 話を聞きながら、ラポーラはキュービーはやっぱり優しいなと微笑んだ。ラポーラを挟まず話は続いていく。



『わかりました。優しいお言葉ありがとうございます。あの、オロチュ様はこの森の守り神様でいらっしゃったのですね。ガンといいます。よろしくお願いいたします。ラポーラ様、獲物を奪ってしまい本当に申し訳ありませんでした。』



『ガンさん、よろしくお願いしますね。ワタクシは話方はこれが元なのですが、これからはワタクシたちはラポーラさんとの仲間になったのですから、話方とかは気にしないでいいのですよ。いいですよねキュービーさん。』



『ああ。俺は元から誰にでもこんな話し方だ。ガン、お前も親父の事は関係ない。普通にしろよ。ま、仲間だ。』



『ありがとうございます。私はこの話し方が染み付いていますので気持ちだけは仲間にさせていただきます。』



 何か言いたい事ほとんど言われたな。ま、いいけど。



「改めてよろしく、ガン。オロチュの言った通り仲間だから気を使いすぎないようにね。魔物のことも気にしてないよ。後、スキルの事なんだけど、鳥目ってわかる?」



『ラポーラ様ありがとうございます。鳥目ですね。鳥目のスキルを使うと私と同じ景色を見る事が出来ます。一度してみましょうか。』



 言うとガンは空に飛び立った。ラポーラは鳥目を使う。そうするとラポーラの視界の半分が空の景色に変わる。



「これが鳥目か。周りの偵察とか様子確認する時に便利だな。少し気持ち悪いけど。」



 鳥目を解除するとガンは戻ってくる。


「ありがとう。いいスキルだ。慣れたらもっと長い間使えそうだな。」

 


『よかったです。鳥目を使うのはいいですが、私に乗っての偵察や狩もして下さいね。私の仕事は荷物やご主人様を運んだり、狩の時に上からの攻撃をする事が主な仕事だったので。飛ぶくらいしか出来ないので仕事ください。』



 鳥に乗れるとは。ガンは攻撃はできないようだ。ラポーラのステータス上昇はガンでは知識の増え方が大きかった。ご主人を載せるために色々と知識をえたのかなと考えた。



「わかった。ガンには移動の時とか、乗せてもらおう。」



 伝えるとガンは羽を広げて喜びを表現した。




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