挿話 キュービー目線

 人族は恐ろしくて立ち寄らない。神聖な場所ソーシャラ森。そこに昔から獣のトップとして君臨している、神獣キュービ族その孫にあたるキュービーは彷徨っていた。



父親のキューピッに

『しばらくはお前だけで生き抜いてみせよ。そして尾が9本になった時に戻って来い。お前を認めてやろう。さあ、行くのだ。好きにしてみろ。』

キューピッはそう言うと、キュービーをソーシャラ森へ転移させた。



ソーシャラ森に飛ばされたキュービーは仕方なく森を歩いてるけど、いきなり自分だけで生き抜いてみろって。しかも何も持ってこなかったな。お腹も空いてるし。



まだ産まれて8年程もだっていないキュービーは一族の風習だからと言ってもまだまだ甘えたい年頃であった。



空腹も限界になり、歩くのも限界になったところ、小さな人間族が食事しているのが見えた。父親のキューピッからは人族には気をつけるよう言われていたが、近くにいる人族のオーラはとても気持ちの良い色でとても安心できた。キュービーは迷わず近くに行く。すると人族は最初は緊張しているようだったが、すぐに落ち着いて食べ物をくれた。



そんな人族にキュービーは心を許してより近くに行き触れた瞬間、その人族と繋がった感じがし、その人族の感情がわかるようになった。



キュービーはその人族は自己紹介でラポーラとわかり、そのラポーラとしばらく一緒にいようと思った。決して食べ物に釣られたのではなく、ラポーラの気持ちがとても居心地がよかったからである。



ラポーラは不思議な力で大きな家を建てれるし、スキンシップもたくさんしてくれて甘えたい年頃のキュービーには幸せな時間だった。しかし、何かやり始めると周りが見えなくなり、気絶する様に寝るのを見てキュービーは呆れるのであった。

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