【俳句】小さな言葉

とろり。

君の名を 呼べど返るは 蝉の声


一緒にいる時間が嬉しくて

君の笑顔に心が癒されて

でも

君は体が弱くて

残る命は少なくて……


永遠というものを信じていたのに

別れは突然やってきた

まだ夏は始まったばかりだというのに

君はもういない


この約束の場所から君の名前を呼んでも

返ってくるのは蝉の鳴き声


涙ににじむ世界で君の影を追う

遠くなる影は 消えた

もう一度君の名前を呼ぶが

返ってくるのは

やはり

蝉の声



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