第3話 風頓先生、ブログに書くネタを100個考える

風頓フートン先生が何やら深刻な顔をしていると、ブログ仙人がやってきました。


「何をしょぼい顔をしておる」


「顔は生まれつきですよ。実はブログを開設したのはいいものの、書くことが思いつかないのです」


「どうせオヌシのブログなど、最初は誰も読まんのじゃから、適当に書いておけばよかろう」


「そういうわけにもいかないでしょう。読者の役に立つことを書けと言ったのは、師匠でしょう。それに好き勝手なこと書いてたらGoogle神に認めてもらえまえん」


「初心者に大切なのは、ブログを書く習慣をつけることじゃ。最初に気負いすぎても長続きせんからの。凡人が天才に勝つ唯一の方法は、諦めずに継続することじゃ」




【お詫び】前回の予告において、本日の「ゼロから始める隠遁生活」は「世界の中心でアイを叫んだ風頓先生」というタイトルで何か書く予定でしたが、良いアイデアが思いつかないため変更させていただきます。




「そう言われましても、何を書けば読者が増えて、ブログで稼げるのかわかりせん」


「手っ取り早く成功しようとか儲けようとか、楽をしようと考えてはいかん。詐欺商材でぼったくられたり、悪い人にだまされたりするのがオチじゃ。最初からテクニックやノウハウに頼ってはいかん。まずはやってみて、失敗して、考えて、またやってみて、また失敗する。そこで初めてテクニックやノウハウの真髄に近づける。表面だけ真似しても、オヌシのためにならん」


「はあ…」


「最近ハマっていることとか、体験とか失敗とか、自分しか持っていない知識とか、新しくチャレンジしたいこととか、なんかあるじゃろう」


「うーん…」


「では、今日の課題じゃ。今日中に100個、ブログに書くネタをひねり出せ」


「1個も出ないのに100個も出ませんよ」


「実際にブログに書くかどうかは別問題じゃ。くだらないことでも、実現不可能なことでも、思いついたことを片っ端から書いていく。いろいろ連想をつなげて、心を自由にして、アイデアをつかみとるのじゃ」


「面倒ですね。とりあえずやってみますが、どうなっても知りませんよ」




 (数時間後)




「書けたか。見せてみよ」


「書いたことは書いたんですが、こんなのでいいんですかね…」



【課題】ブログのタイトル100個考える


001 風頓先生、ローソンお試し引換券ゲットのコツを語る

002 風頓先生、ポイ活中毒から更生する

003 風頓先生、風頓という名前の由来について語る

004 風頓先生、好きなマンガ10選を紹介する

005 風頓先生、好きなアニメ10選を紹介する

006 風頓先生、好きな海外ドラマ10選を紹介する

007 風頓先生、好きな小説10選を紹介する

008 風頓先生、好きな映画10選を紹介する

009 風頓先生、好きな食べ物10選を紹介する

010 風頓先生、好きな飲み物10選を紹介する

011 風頓先生、うどん屋の好きな天ぷら10選を紹介する

012 風頓先生、うどん屋に行ってあえてうどんを注文しない

013 風頓先生、カフカとドストエフスキーとフォークナーとナボコフについて語る

014 風頓先生、好きな三国志の人物10選を紹介する

015 風頓先生、夏目漱石の小説に出てくる隠者的な人物について語る

016 風頓先生、山道を登りながら、こう考えた

017 風頓先生、方丈記を読む

018 風頓先生、般若心経を語る

019 風頓先生、隠者の読書術について語る

020 風頓先生、門外不出の速読の極意について語る

021 風頓先生、『ニンジャスレイヤー』を途中まで読んで挫折する

022 風頓先生、なろう版『転スラ』を読破する

023 風頓先生、なろう版『無職転生』と書籍版『無職転生』を読破し、コミック版『無職転生』の最新刊を読み、アニメ版『無職転生』第2期の放送を待ち望む。そして、アニメが完結するまで死なないことを願い健康に留意する

024 風頓先生、使っていたiPhoneSE(第2世代)が壊れる

025 風頓先生、ゆうちょデビットが不正利用される

026 風頓先生、かかとやわらかクリームを買う

027 風頓先生、頻尿のため病院に行く

028 風頓先生、十数年ぶりに健康診断を受ける

029 風頓先生、バナナの食べ比べをする

030 風頓先生、隠者のあんパンを作る

031 風頓先生、隠者のきなこラテを作る

032 風頓先生、オートミールで隠者のおやつを作る

033 風頓先生、余ったポッカレモンの活用法を思いつく

034 風頓先生、書斎の片付けをする

035 風頓先生、メルカリに不用品を出品する

036 風頓先生、フートンを売る

037 風頓先生、街道をゆく、ただし100mだけ

038 風頓先生、いい旅・隠者気分

039 風頓先生、仙人の使いやあらへんで!

040 風頓先生、山に古墳を見に行ってすべって転ぶ

041 風頓先生、軽登山用のシューズを買う

042 風頓先生、山の中でイノシシに遭遇する

043 風頓先生、心霊スポットに行こうとするが怖いのでやめる

044 風頓先生、庭の草抜き1000本ヌックに挑戦する

045 風頓先生、庭で一人キャンプの練習をし自分には向かないことを悟る

046 風頓先生、隠者の買い物術について語る

047 風頓先生、隠者のストレッチについて語る

048 風頓先生、隠者の御朱印集めについて語る

049 風頓先生、隠者の手抜き料理について語る

050 風頓先生、隠者の工夫パワーで難局を乗り越えるコツを伝授する

051 風頓先生、隠者の散髪、あるいはQBハウスへの要望

052 風頓先生、パキラの栽培に失敗する

053 風頓先生、auからUQモバイルに乗り換える

054 風頓先生、隠者の格安SIMについて語る

055 風頓先生、使っていない銀行口座を解約する

056 風頓先生、二度と着ないであろう服を捨てる

057 風頓先生、体重を60kg台に戻す努力をする

058 風頓先生、前屈で頭が膝につくよう頑張る

059 風頓先生、180度開脚に挑戦する

060 風頓先生、犬を飼うか猫を飼うか悩む

061 風頓先生、電気羊の夢を見る

062 風頓先生、改造手術をしてサイボーグになる

063 風頓先生、17年間の異世界生活について語る

064 風頓先生、転生したがスライムになっていなかった件

065 風頓先生、ゼロから始めるブロガー生活

066 風頓先生、小説投稿サイトでライトノベルを連載する

067 風頓先生、と同時に別名義で書いた小説を新人賞に応募する

068 風頓先生、書いたライトノベルがコミカライズされる

069 風頓先生、書いたライトノベルがアニメ化される

070 風頓先生、花澤香菜にサインをもらう

071 風頓先生、別名義で応募し続けていた新人賞でついに賞をとる

072 風頓先生、自著を初出版する

073 風頓先生、自著が海外で翻訳出版される

074 風頓先生、地元テレビ局の取材依頼が来るが断る

075 風頓先生、サイン会の依頼が来るが断る

076 風頓先生、講演会の依頼が来るが断る

077 風頓先生、県知事から対談の依頼が来るが断る

078 風頓先生、ダイエット本出版の依頼が来るが断る

079 風頓先生、自著が映画化される。主演はSnow Man

080 風頓先生、家族をSnow Manに会わせるという偉業を達成する

081 風頓先生、YouTuberになってチャンネル登録1万人

082 風頓先生、マイクロ法人を作る

083 風頓先生、パスポートを取得する

084 風頓先生、シンガポールに行ってイスラム料理「ムルタバ」を食べる

085 風頓先生、イビサ島の◯◯◯ビーチに行く

086 風頓先生、日本に隠者ブームを起こす

087 風頓先生、この隠者が俺TUEEEくせに慎重すぎる

088 風頓先生、ツンデレ悪役令嬢と実況の隠者くんと解説の仙人さん

089 風頓先生、ひげを剃る。そして女子高生を拾う

090 風頓先生、お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされる

091 風頓先生、犬になって好きな人に拾われる

092 風頓先生、防御力に極振りする

093 風頓先生、陰の実力者になる

094 風頓先生、継母の連れ子が隠者だった

095 風頓先生、隠者ですが、なにか?

096 風頓先生、とピーちゃん 仙界で隠遁生活を楽しもうとしたら、現代で仙術バトルに巻き込まれた件

097 風頓先生、隠者、辞めます

098 風頓先生、隠者が出会いを求めるのは間違っているだろうか

099 風頓先生、この素晴らしい隠者に祝福を!

100 風頓先生、かく語りき



「なんじゃこりゃ? 苦労したのは認めるが、途中から明らかに手抜きではないか」


「私にブロガーは向いてませんよ。人に読んでもらえるような記事が書けるなんて思えなくなってきました」


「最初は誰でもそんなもんじゃ。しかし夢を諦めずに続けていれば、いつか道は開ける!」


「そんなもんでしょうか」


「そんなもんじゃ。ブログで成果が出るのは速くて半年、普通は1~2年かかる。あせらず一日一日、できることを積み上げてゆくのじゃ」


「半年も続けられるかどうか自信がないです」


「半年先のことはどうでもよい。とりあえず明日のことを考えよ」


「とりあえずですか、まあとりあえずやってみますけど、隠遁生活への道は遠そうです。」


(続く)

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