どうやらボッチらしい

「どう思うよ!カナエくん!」


「・・・いや、どうって言われても」


 突然シオンが現れまだ開店前だって言うのに泣きついてきた。


「・・・みんな酷いよねぇ」


「・・・もしかして、友達が居ない?」


 そんな事を言ったからガーンと声を発さない状態でショックを受けていた。

 言い過ぎたか・・・


「・・・あぁ、言い過ぎたよ・・・ ほれ、今日は牛肉弁当だから」


「・・・ありがとう・・・」


 泣きながら受け取る・・・全く、こんなのが世界最強と言われてる女なんだもんな。


 まぁ、でも確かにコロシアムねぇ・・・


 確かにそこだと戦いに紛れてやってくる魔族がいるかもしれん。

 そう考えたら得っちゃ得だがぁ、こいつと組む?


「・・・はぁ・・・カナエくん。ボクって異端なんだろうなってつくづく思うよ。」


「・・・異端?」


 急になんだ?感情の上下激しいなぁ・・・


「・・・ボクは言ったらこんな性格だし、ナンp・・・ お誘いをしまくったから変な人だと思われてるんだろう。」


「・・・自覚あったんだ・・・、てかナンパ言うたな今・・・」


「まぁ最悪1人で出れるのであれば1人で出るしかないなぁ・・・」


「・・・どうしてそこまで?・・・」


 そう、別に他の騎士に任せればいい仕事なのに、言ったら口悪いけど雑用のような仕事。

 確かに魔族が出たら確実に倒すことの出来るシオンには適任かもしれないが、そこまで固執する必要は無いはずだ。


「・・・そうだなぁ〜亡き 恩人の為かな。」


 ──前言ってた奴か、その人もレクリエム王の下で働いていたというわけか。

 その恩人は嬉しいだろうな、こんなに思ってくれるいい人に出会って。


 俺はどうなんだろう、いや答えは失望だろうな、

 なぁ姉さん。


「・・・ボクは絶対に魔族は許さない。

 もう失うのはこりごりだからね」


 微笑する笑顔に俺は姉さんと重なった。

 ダメだシオンがどうしても姉さんと重なってしまう。

 全然性格も見た目も違うのに。



 いや、この正義感は一緒か・・・


「・・・へぇ、いいなぁ〜強い女性は俺は好きだな・・・」


「・・・え!?////」


 赤面したシオンは口をパクパクと魚のように動いて動揺していた。


 な、何をそんなに動揺してるんだ?

 あ・・・あれか・・・

 別に告白してる訳じゃないんだけどなぁ・・・



「・・・ボクは絶対君を逃さないからね!!!!」


「・・・あ〜」



 しまった、余計な事した・・・


 しょうがないか・・・

 こうしてシオンと話しながら弁当を売って行った。


 ────────────────────

シオンさんイケメン王子様系で普段色んな人に可愛いとか好きとか告白まがいなことしてるのに、

いざ言われると照れるの可愛いねぇ・・・

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