しなやかに

「それにしても、スノウはいい買い物でしたね。後、4人ぐらい欲しいです。」


「無理よ。スノウほどの才能がある奴隷を飼うには大金がいるわよ。今回は奴隷商人が馬鹿だっただけよ。」


「そうですね。そんな大金、子供が持ってるとしれたら絶対狙われますもんね。」


「そうね。貯めたお金は大人になったら使いましょう。」


「強くなったらですね。なるべく顔のバレてない街でしましょう。」


「そうね。ジンじゃ目立つしね。」


「僕が?なぜ?」


「平民のくせに無駄に丁寧な喋り方をするからよ。違和感があるわ。」


「そうですね。次からは気をつけますよ。とりあえず、今日はどうしますか?」


「熊肉を食べたいわ。今日はそんな気分だわ。」


「熊肉ですか。森の奥に行かないといけませんからダメですね。スノウが追いつけないですし。」


「それはそうね。じゃあ、緑猪を探しましょうよ。この森にいるらしいじゃないの。」


緑猪は珍しい魔物でこいつの肉は相当うまいらしい。

高級肉だ。


「そいつを探しながら、適当な魔物を殺しますか。うん、それでいいですね。」


今日は森で探し物をしながら、適当な魔物を狩りしていた。

途中、騎士の集団が甲冑を着ながら、森を行進していた。とりあえず隠れておいた。

騎士団が通り過ぎるのを息を殺して待った。


「ジャンヌお姉ちゃん、嫌な予感がします。」


「私もよ。かなり嫌な予感がするわ。」


最速で家に戻った。とりあえず、引っ越す準備をした。その最中だった。

家の近くの罠が引っかかった音がした。


「時間がないです。最低限のものだけ持って、逃げましょう。」


「そうね。かなりやばいわ。スノウ私に捕まっときなさい。」


外に出たら、案の定、外に騎士がいた。20人程だ。


「スノウ、あいつらの足元に氷魔法を最大でかけておいて。」


スノウは頷いて、騎士集団の足元に氷魔法をブッパする。

それから、3人は森の中を抜け、1日かけて走り、事前に用意していた拠点に逃げ込んだ。


「良かったです。拠点を何個か作っておいて、資産も分配しておきましたし。」


「そうね。さすが、ジンだわ。まさか騎士たちがくるとは思わなかったけど。」


簡単にいうと騎士たちは、俺たちを盗賊の協力者にでっち上げられそうになったのだ。

この世界での捜査機関では捕まったら絶対に有罪にされる。だって冤罪だし。


「オークの睾丸を換金をしまくったのが悪かったんでしょうね。お金を溜め込んでいると思われたんでしょ。」


「オークリーダーの睾丸を売らなくて正解だったわね。一つ銀貨2枚にもなるし。」


「騎士たちが焦っていたのか、それとも領主が焦っていたのか、適当に犯人を作りたかったんでしょうね。僕の予想では盗賊たちの真の協力者は領主だと思いますけど。」


「領主ね、ありそうな話だわ。協力者が見つからない理由はそれで十分だし。じゃあ、この街の冒険者ギルド長はでっち上げってこと?」


「冒険者なんて盗賊みたいな奴らなんだから、それは別にいんですけど、僕たちを嵌めようとした奴らがいるのが腹立ちますね。」


「やめときなさいよ。手出しはできないわよ。それより次はどの街に行くの?」


「そうですね。とりあえずほとぼりが冷めるまでは、3つ程離れた街で過ごしましょう。」


「そうしましょう。」


ジャンヌも俺も特徴のある顔ではないし、ここ1,2年はずっとフードをかぶって街に出てたので、顔もあまりバレてないし。


「その前に、他の拠点から、冒険者から奪った装備でも取りに行きましょう。」


それから1月かけて、引っ越しをした。

引っ越し先の街に行く道中、適当に冒険者から奪った、装備を売って処分した。重くて邪魔だし。


「ジャンヌお姉ちゃんこの周辺の魔物の話を聞いてきてください。冒険者ギルドで。」


「分かったわよ。慣れたもんよ。」


「スノウは僕と一緒に日用品でも買いに行きましょうか。」


スノウはコクコクと頷く。

この街には、特有の調味料があって、果物もあった。近所の森で取れるらしい。


「料理のレパートリーが増えていくな。旅でもしようかな。」


ジャンヌが嬉しそうに冒険者ギルドから、出てきた。


「この近くに草原があるらしいわ。」


「つまり?」


「羊肉と牛肉を食えるわ。」


「そうですか。牛肉は楽しみですね。牛肉のハンバーグは美味しいですからね。」


ジャンヌもスノウもハンバーグが好きなので嬉しそうな顔をする。

スノウは可愛いので頭を撫でておく。ついでにジャンヌも。


「とりあえず、羊の魔物から出た毛で布団を作りましょう。なので、今日は羊肉ですね。」


ジャンヌがいった羊は岩を飛ばす羊だったが、簡単に殺せた。

自分達で食う肉は取っておいて、残りの肉は売った。

こいつの毛並みの感じだったらいい布団ができそうだ。


「ふぅ〜気持ちいい。いい布団ができましたね。すごいふかふかです。」


「そうね。羊肉は臭いけど美味しかったわ。このしょっぱい調味料ともあったし。」


「その調味料はこの森で取れるらしいので、取っときましょう。美味しいですし。」


「そうね。明日は牛ね。明後日からオークね。」


「オーク?」


「オークの集団があちこちで出来てるけど、冒険者が殺しに行かないらしいのよ。」


「訳ありそうですね。めんどくさいので情報収集したから、オークの討伐ですよ。」


「分かったわよ。」


ーーーージンは翌日から、冒険を始める。この街を救う冒険を






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