第2話

「水木くん、ちょっと待って」

『何か問題でもありましたか』

 いや問題とかそういうんじゃなくて。

「なんでせつない別れのシーンがギャグになってるの」

『条件の確認をお願いします』

 ――登場人物(メインキャスト二名)

 ・ナツ(ハルとは幼馴染。最近ハルと会っていない)

 ・ハル(ナツとは幼馴染。身長を気にしていた)

 ――ストーリー(基本)

 海外へ行くことが決まったナツは、幼なじみのハルを思い出す。

 身長を比べあった桜の木に赴くと、あの日刻んだ痕が残っていた。

 二つ並ぶようなそれは、あるところを境に一方だけが刻み続けられている。

 ナツは自分の背丈を刻むと、その場を後にした。

 夏が始まろうとしていた。


「ナツは海外へ行く……のはブラジルに恋人がいるからなのね? ナツの性別は?」

『指定がありませんでした』

「だからって、どちらにもとれるのは困るよ。だってこれはハルとナツの絆の物語じゃん?」

『男か女かで友情のあり方が異なるという事ですね』

「要するに、そういうこと」

 リテイク。お願いしますよ、ホント。

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